康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 614 ページ)
【巳集上】【水部】油;康熙筆画:9;頁碼:614 頁 04 行。【唐韻】以周切。【集韻】【韻会】夷周切。【正韻】于求切。音「由」に同じ。河川名を指す。【説文解字】に曰く、「油水は武陵郡孱陵県に発し、東南へ流れて長江に入る」。【水経注】に曰く、「孱陵県に白石山あり、これ油水の源なり」。また江夏郡平春県にも油水あり。【水経注】に曰く、「油水は平春県西南の油渓に発す」。また油脂を指す。【博物志】に曰く、「油脂一万石を積めば、自然に火を発す」。また石油を指す。【水経注】に曰く、「高孥の洧水には水面に脂あり、燃やすべし」。【夢渓筆談】に曰く、「鄜延の地に石油を出す」。【広輿記】に曰く、「石油は粛州南山に出ず」。また猛火油を指す。【昨夢録】に曰く、「猛火油は高麗の東数千里に出ず。日出づる時、盛夏の日焼けにより石極めて熱ければ液を滲み出だし、他物これに触れば即ち火を発す。惟だ真の瑠璃の器のみ之を盛ることを得」。また緹油を指し、車の飾りをいう。【後漢書・劉伝】に曰く、「鮮やかなる車と高大なる馬に乗り、車軾の前に赤き屏泥を設く」。【注】に曰く、「赤屏泥とは、緹油を以て車軾前の屏泥を塗飾するを謂う」。また橘の名を指す。【韓彦直・橘録】に曰く、「油橘は皮油を塗れるが如く、肉堅くして皮黒し」。また「油油」は温和恭謹なるさまを形容す。【礼記・玉藻】に曰く、「三爵を飲みて、油油として退く」。また禾黍の光潤にして悦目なるさまを形容す。【束晳・補亡詩】に曰く、「其の草光潤にして茂盛なり」。また雲の濃厚なるさまを形容す。【孟子】に曰く、「天に濃雲密かに興りて雲起る」。また【広韻】【集韻】余救切、音「狖」に同じ。浩油は地名なり。【公羊伝・定公四年】に曰く、「定公諸侯と浩油に会盟す」。【注】に曰く、「油の音『由』、又一音『羊又反』」。また「釉」に同じ。【篇海】に物体の表面光沢あるを指す。【蔡襄・茶録】に曰く、「珍なる茶膏は表面光沢明るし」。考証:【礼記・玉藻】「三爵而油油以進」。謹んで按ずるに、原文の「進」は「退」に改むべし。