康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1274 ページ)
【酉集下】【邑部】郼;康煕筆画:16;頁碼:1274 頁 08 行
『広韻』『集韻』に「於希切」と音釈され、音は「依」に同じ。
『広韻』によれば、殷の時代の諸侯国の名である。
『呂氏春秋・慎大篇』に「湯が天子となると、夏の遺民は郼を親しむこと夏の如し」とあり、【高誘注】に「郼は音『衣』の如し。今、兗州の人々は殷氏を皆『衣』と呼ぶ」とある。
また『呂氏春秋・慎勢篇』に「湯に郼なくんば、武王に岐なくんば、功を成すべからず」とあり、【注】に「郼は湯の本封国なり」とある。
『正字通』に「郼はすなわち『殷』の字にあらず。斉地の人は『殷』を『衣』の如く読み、高誘の注も『郼』を『衣』の如く読むとするは、みな方言にして正音にあらず」とある。
考証:『呂氏春秋・慎大篇』「湯天子となり、夏民郼を親しむこと夏の如し」。【高誘注】「郼は音『衣』の如し。今、兗州の人々殷氏を謂いて皆『衣』と曰う」。謹んで按ずるに、原文の「高繍曰」を「高注」に改む。
『呂氏春秋・慎勢篇』「湯その郼なくんば、武その岐なくんば、成功すべからず」。【注】「郼は湯の本国なり」。謹んで按ずるに、原文の「憤勢篇」を「慎勢篇」に改め、「武其无岐」の下に「豊也」の二字を略し、「不能成功」の四字を増補し、注の「郼殷旧封国名」を「郼、湯之本国」に改む。