康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 140 ページ)
【子集下】【刀部】前;康煕筆画:9;頁碼:140 頁 15 行
古文は「歬」と作る。
【唐韻】は昨先切、【集韻】【韻会】【正韻】は才先切で、音は「銭」に同じ。
【増韻】に曰く、「前」とは「後」の対なり。また「進む」の義あり。【広韻】に「先」と釈す。
また【礼記・檀弓】に「我未だ之を前に聞かず」とあり、注に「前」はここに「故」(過去)の義と説く。
また【儀礼・特牲】に「祝、主人の前にして降る」とあり、注に「前」は「導」(導く)の義と説く。
また【集韻】【韻会】【正韻】は子浅切で、音は「湔」の上声(jiǎn)のごとし。
【説文解字】に「斉しく断つなり」と釈す。俗字は「剪」と作る。
また【正韻】に浅黒色と釈す。
【周礼・春官・巾車】に「木路、前樊、鵠纓」とあり、注にここにおける「前」は「緇翦」の「翦」に読み、浅黒色の義と説く。
また【韻補】に葉音は慈隣切で、音は「浄」の平声(jìng)のごとし。
【劉向・九嘆】に「陸魁堆りて視を蔽ふ兮、雲冥冥として前を暗くす。山峻高にして垠なし兮、遂に曾闃として身に迫る」とあり(ここに「前」は「身」と韻を踏む)。