康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 138 ページ)
【子集下】【刀部】利;康煕字典画数:7;ページ番号:第 138 頁第 19 項
古代の音韻資料によれば、『唐韻』『集韻』『韻会』は「力至切」と注音し、『正韻』は「力地切」と注音して、読みは「詈」に同じ。『説文解字』は「鋭い」と釈す。字形は「刀」と「和」を組み合わせて、「和して初めて鋭くなる」ことを表すため、「和」の一部を省略したものとされる。『易経』は「利」を道義の和合の現れとみなす。『漢書・晁錯伝』に「兵刃が鋭く整わなければ、素手と同じである」とある。また『広韻』は「吉祥、適宜」と釈す。『易経・賁卦』に「往くに利あり」と見える。また私利を指す。『荘子・駢拇篇』に「小人は命をもって私利を追う」とある。また『礼記・坊記』に「財を重んじて礼を軽んずれば、民は利を貪る」とあり、注に「利とは貪求の意なり」とある。また『漢書・高帝紀』に「斉・楚の五大姓を関中に移し、肥沃な田宅を賜う」と見え、注に顔師古曰く「利は優良にして便なるを指す」とある。また『周礼・冬官考工記』に「車軸に三つの文理あり、第三の文理は車軸を滑らかに密ならしむるためなり」とあり、注に「利とは滑らかに密なるを指す」とある。また州名とする。『韻会』に「巴蜀の地。晋にて西益州とし、梁にて利州と改む」とある。また姓氏とする。『韻会』に「漢に利乾という者あり、中山国の相を務めたり」とある。また『韻補』に葉音を「棃」と注す。古楽府詩に「雨雪霏々として雀鳥労利す、長嘴飽きて短嘴飢ゆ」と見える。