【酉集下】【邑部】鄂;康煕字典画数:16;ページ番号:第 1274 頁第 22 項。
【唐韻】【韻会】音は「五各切」、【集韻】【正韻】音は「逆各切」で、読みは「諤」に同じ。
解釈は以下の通り。
1. 国名。【史記・殷本紀】に、西伯・九侯・鄂侯を併せて三公と称すと記す。
2. 楚の地。【史記・楚世家】に、中子紅が鄂王に封じられたと記す。【注】『九州記』に曰く、鄂は今の武昌である。『輿地記』に曰く、今の鄂州武昌は、すなわち楚の東鄂である。
3. 晋の邑。【左伝・隠公六年】に、随において晋侯を迎え、これを鄂に住まわせ、晋人はこれを鄂侯と称したと記す。【注】鄂は晋のもう一つの城邑である。
4. 【玉篇】に、南陽県に西鄂があると記す。【前漢書・地理志】に、南陽郡に西鄂県があると記す。【注】江夏に鄂があるゆえ、ここに「西」の字を加えて区別する。
5. 鄂然、外に顕れたさまを形容す。【詩・小雅】「鄂不韡韡」(花萼が鮮やかに盛んなる意)。
6. 鄂鄂、言辞が直く争うさまを形容す。【大戴礼記・立事篇】に曰く、君子の言は直く争うべしと。
7. 垠、境界。【揚雄・甘泉賦】「紛被麗其亡鄂」(繁盛華麗にして際限なき意)。
8. 幽州の人、額を鄂と称す。【釈名】に解説して曰く、額とは鄂なり、境界あるがゆえなりと。
9. 「諤」に通ず。【史記・趙世家】「周舎の鄂鄂を聞かず」。【注】『韓詩外伝』に記す、周舎が門下に立ちて三日夜、簡子使人して問わしむるに、対えて曰く、直言争うの臣たらんことを願うと。
10. 「愕」に通ず。【史記・五帝本紀】「象鄂して懌せず」(象甚だ驚き悦ばざる意)。【前漢書・霍光伝】「羣臣皆驚鄂して色を失う」(群臣みな驚きあわてて顔色を変ずる意)。
11. 「噩」に通ず。【爾雅・釈天】「歳在酉曰作噩」。【史記・天官書】は「作鄂」と書く。
12. 姓。漢に安平侯鄂千秋あり。
13. 【説文解字】には元々「

」と書き、俗に「鄂」と書く。