康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 83 ページ)
【子集上】【丿部】乗。康煕字典の画数:10 画。頁碼:第 83 頁第 9 列。古音・古義:『唐韻』に「食陵切」とあり、『集韻』『韻会』に「神陵切」とあり、音は「縄」に同じ。『広韻』に「駕す、登る」と釈す。『易経・乾卦』に「時に六竜に乗じて天を御す」。また「憑る、利用する」の意。『孟子』に「勢に乗ずるに如かず」。『老子道徳経』に「乗乗兮として帰する所なきが若し」。また「治める」の意。『詩経・豳風』に「亟に其の屋に乗ず」。また「勝る」の意。『国語・周語』に「人に乗ずるは不義にして陵ぐなり」。また「計算す、考課す」の意。『周礼・夏官・槀人』に「其の事に乗じ、其の弓弩を試み、以下上其の食して誅賞す」。また姓なり。漢代に煮棗侯乗昌あり。また『広韻』『韻会』に「実証切」とあり、『集韻』に「石証切」とあり、音は「剰」に同じ。車を指す。『詩経・小雅』に「元戎十乗、以て先んじて行を開く」。また双をなす物を指す。『左伝・僖公三十三年』に「弦高、乗韋を以て先にし、牛十二を以て師を犒う」。『揚子方言』に双雁を「乗」と称す。また凡そ四つの物は皆「乗」と称すべし。『礼記・少儀』に「壺酒に乗ず」。『孟子』に「乗矢を発す」。また「乗丘」は地名なり。『爾雅・釈地注』に「乗丘、形車乗に似たり」。また草名なり。『爾雅・釈草』に「望乗車」。〔注〕此の草縄を作るべく、長さ一丈余り。また『韻会』に「乗」は承载の義あり、物を承载するを名と取る。『孟子』に「晋の乗」。按ずるに、『韻瑞』「晋乗」を平声に読むと引くは誤りなり。今家譜に「家乗」と称するは、その義史書の「乗」と相通ず。また『伝灯録』に禅宗に深浅の等級あり、一には小乗、一には大乗。頓悟して自心の無漏の智慧を得、此の心即ち仏なるを「最上乗」と称す。『宋の沙門契嵩原教篇』に五乗皆三蔵に統归于す。一には人乗、二には天乗、三には声聞乗、四には縁覚乗、五には菩薩乗。後の三乗はその信徒を導いて出世せしむ。前の二乗は人の欲望轻易に去るべからざるにより、故に其の情欲に因りて之を制約す。以上の音は皆去声なり。また『集韻』に「諸応切」とあり、音は「証」に同じ。姓なり。『説文解字』に本字は「椉」と作る。