康熙字典解説
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【子集下】【勹部】包;康煕筆画:5;頁碼:150 頁 27 行
『広韻』は布交切、『集韻』は班交切で、音は「苞」に同じ。
『説文解字』に曰く、「包」は人の懐妊する象なり。外なる「勹」は母体を象り、内なる「巳」は胎児の未だ形成せざるを象る。元気は「子」より始まる。「子」は人の出生の端なり。男子は左に行きて三十、女子は右に行きて二十、倶に「巳」に立ちて止まる。これ男女の「巳」において合して懐妊するを象る。「巳」は胎児を表し、十月を経て生まる。男子は「巳」より数えて「寅」に至り、女子は「巳」より数えて「申」に至る。ゆえに男子は「寅」より年歳を算し、女子は「申」より年歳を算す。
また「収容」の義あり。『易経』泰卦九二の爻辞に「包荒、馮河を用う」とある。
また「包裹」の義あり。『尚書』禹貢に「匦菁茅を包む」とあり、『礼記』楽記に「干戈を倒載し、虎皮をもって包む」とある。
また『漢書』班固叙伝に「漢を包み信を挙ぐ」とあり。注に劉徳曰く、「包」は取るの義なり。
また「苞」に通じ、草木の叢生するを指す。『尚書』禹貢に「草木漸く包む」とある。
また姓なり。『広韻』に曰く、楚の大夫申包胥の後裔なり。漢に大鴻臚包咸あり。
また山名なり。『山海経注』に曰く、呉県の南、太湖中の包山の下に洞庭穴あり、地脈と称す。
また『集韻』『正韻』は蒲交切で、音は「咆」に同じ。『集韻』に「匏」もまた「包」と作るとある。
また「庖」は「包」に通ず。『易経』姤卦に「魚を包有つ」とあり、『繋辞』に「古者包犧氏の天下を王たりき」とある。
また『韻補』は房尤切で、音は「浮」に同じ。地名なり。春秋の時、「公莒人と包来において盟す」とあり、『左伝』は「孚」に作る。『通雅』に曰く、古に「包」の音「孚」のごとく、「脬」と「胞」、「桴」と「枹」、「莩」と「苞」、「浮」と「抱」等の字は同源相承なれば、互いに通用す。
また葉音は補苟切にして、「褒」の上声のごとく読み、包裹の義なり。『詩経』召南に「野に死せる麕あり、白茅これを包む。女春を懐き、吉士これを誘う」とある。
考証:【『説文』の原文「男左行三十、女右行二十、倶に巳に位す」は、原文に従い「位」の字を「立」の字に改む。】