康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 273 ページ)
【丑集下】【女部】嬰;康熙画数:17;頁碼:273 頁 04 行。『広韻』於盈切、『集韻』伊盈切、『正韻』於京切、音は纓。『釈名』に「人が生まれたばかりを嬰児という。胸の前を嬰といい、胸に抱いて乳で養うゆえに嬰という」とある。一説に、女を嬰といい、男を孩という。また『六書故』に「女子の首飾り。嬰は飾るものなり」とあり、『荀子・富国篇』に「処女は珠を嬰(まと)う」と見える。別に璎と書く。また「加える」の義あり。『賈誼・治安策』に「鋒刃を嬰(くわ)えて刑を加う」とある。また「犯す」の義あり。『韓非子・説難』に「竜の喉下に逆鱗あり、これに嬰(ふ)れば必ず人を殺す」という。また「囲む」の義あり。『後漢書・卓茂伝』に「城郭を嬰(めぐ)りて相見る」とある。また「纏わる」「束縛する」の義あり。陸機の詩に「世俗の羅網我が身心を嬰(しば)る」、張九齢の詩に「形骸世俗の羅網に随って嬰(しば)らる」と見える。また山の名。『隋図経』に「嬰山は并州の主山なり」とある。また『山海経』に「金星山に天嬰多く、状ち龍骨に似たり」と見え、また九嬰は水火の怪なり。『淮南子・本経訓』に「堯、凶水の上に使いをして九嬰を誅せしむ」とある。また盂の義。罌に通ず。『穆天子伝』に「黄金の罌の類」と見える。また姓。晋の季膺の子孫。別に賏と書く。また『集韻』に於慶切、音は映。関中にて子を嬰と呼ぶ。また於正切、音は郢。「嬰累」は柔弱の義。一説に束縛の義ともいう。