康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 87 ページ)
【子集上】【二字部】亜;康煕筆画:8;頁碼:87 頁 08 行
【唐韻】【集韻】音は「衣駕切」、鴉の去声に近い。
【説文解字】「醜」を意味し、字形は人のせむしの様にかたどる。
また【爾雅・釈言】に「次ぐ」とあり。
【蜀志】に諸葛亮は管仲・蕭何の類(ただし稍々次ぐ)とす。
また【増韻】に「少なし」とあり。
【広韻】に「近し」とあり。
また姻親を指す:婿の父を「姻」といい、二婿互いに「亜」と称す。
【詩・小雅】に「瑣瑣なる姻亜には、高位厚禄を与えるべからず」とあり。「婭」とも書く。
また【集韻】【正韻】音は「于加切」、鴉と同音。
【前漢・東方朔伝】「伊優亜」は言辞未定を表す。
また【趙古則曰く】物体の分岐する形を「亜」という。俗体は「丫」または「桠」と書く。
また【正韻】音は「烏落切」。
【正訛】「堊」字と同じく、壁を塗るを指す。
また「悪」字に通ず。
【史記・盧綰伝】盧綰の孫の他人は亜谷侯に封ぜらる。
【漢書】は「悪谷」と作る。
【語林】に宋人玉印を得て、印文に「周悪夫印」とあり。劉原父曰く、漢代の条侯の印なり。古く「亜」「悪」の二字は通用す。
また「滹」字に通じ、滹沱河を指す。
【礼・礼器】は「悪池」と作る。
【秦・詛楚文】は「亜駝」と作る。
また「稏」字に通じ、稲穀を指す。
【韻会】に「稏」はまた「罷亜」とも通作すと記す。
また【郝敬読書通】に「圧」字は「亜」に通ずと記す。
杜甫『上巳宴集詩』に「花蕊亜枝紅」の句あり。
また『人宅詩』に「花亜欲移竹」の句あり。ここにおける「亜」は「圧」と意同じ。
【字彙】の【正訛】に曰く、「亜」字は本来塗飾を表す字にして、他の義はみな仮借の義なり。仮借の義用いられること甚だ多きがゆえに、小篆にて「土」旁を加えて「堊」と作り、また「心」旁を加えて「悪」と作りて区別せり。「亜」「堊」「悪」は本一字なり。【秦・詛楚文】に「亜駝」をもって「滹沱」に代うるは、音同じきを以て仮借して用いるの明証なり。按ずるに【字彙】の説は是なれども、世俗すでに久しく仮借の義を用いるがゆえに、姑く本義を後に録して、この字の来歴を知らしむ。