康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 615 ページ)
【巳集上】【水部】泄;康煕筆画:9;頁碼:615 頁 05 行。【唐韻】余制切、【集韻】【韻会】【正韻】以制切、音は曳。水名なり。【説文】に曰く、「泄水は九江博安県の洵波を受け、北して氐に入る」と。【水経】に曰く、「泄水は博安県に発し、北して芍陂を過ぎ、西北して淮に注ぐ」と。【注】に曰く、「博安県とは『地理志』に見える博郷県なり」。また散ずるの義あり。【詩・大雅】に「民の憂いを泄す」と見え、【伝】に「泄は去るなり」と解し、【箋】に「流出し発散するがごとし」と釈す。また舒緩なるさまを形容す。【詩・邶風】に「翼を泄泄とす」と見え、【伝】に「飛びて翼を鼓する、舒緩のさまなり」と釈す。また衆多の義あり。【詩・魏風】に「采桑者泄泄たり」と見え、【伝】に「泄泄は人多きさまを形容す」と釈す。また【爾雅・釈訓】に「憲憲泄泄、法度を制するなり」と見え、【李巡】に曰く、「いずれも党を結んで悪を為し、法規を定めるを指す」と。また【詩・大雅】に「天まさにこれを覆さんとす、かく泄泄たるなかれ」と見え、【孟子】に「泄泄は沓沓がごとし」とあり、【注】に「怠慢・遅緩・順従のさま」と釈す。また【広韻】【集韻】私列切、【正韻】先結切、音は薛。「渫」と同字にして除くの義あり。詳しくは「渫」の条に拠るべし。また漏洩の義あり。【管子・君臣下篇】に「古語に『墙に耳あり』と云うは、密謀の外に泄るるを謂うなり」と見え、また【揚子・方言】に「歇息の義、楚・揚の間これを歇と称す」とあり、また発散・舒展の義あり。【礼記・月令】に「春三月、陽気始めて泄る」と見え、また混雑の義あり。【後漢書・杜詩伝】に「略々泄して用いる」と見え、また軽慢の義あり。「渫」と同字にして、【荀子・栄辱篇】に「驕り泄るる者は禍を招く」とあり、また「洩」と同字なり。また姓なり、例えば魯の泄柳のごとし。