康熙字典解説
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【丑集上】【口部】嚮。康煕筆画 19、頁碼 213 第 38。古文は「向」。『広韻』『集韻』に「許亮切」、音は(欠)。『集韻』に「面向の意、相対するの意」とあり。『書・盤庚』に「火が原野に燃ゆるがごとく、近づくべからず」。伝に「炎熾にして近づくべからず」という。また『洛誥』に「臣下をして各々その官職に帰せしむ」。伝に「臣下をして各々自らの官職に帰せしむべし」という。また『易・随卦』に「君子は昏に入りて息す」。また『書・洪範』に「五福をもって導き勧む」。伝に「天、五福をもって人を導き勧むという」。また『前漢・丙吉伝』に「仮令丞相先に御者の言を聞かざらば、いずくんぞ慰労嘉賞を得んや」。また『広韻』『集韻』に「許両切」、音は「響」。『広韻』に「『爾雅』に曰く、両階の間を嚮と謂う」。按ずるに、今の『爾雅・釈宮』は「郷」に作る。また『書・洪範』「嚮用五福」の釈文に「嚮、許亮反、また許両反、二読ともに可なり」という。また『史記・遊侠伝』に「いずくんぞ仁義を知らん、すでに利を受くる者はこれ徳あり」。注に「索隠に曰く、嚮は享の意なり」という。また「響」に同じ。『易・繋辞』に「其れ命を受けること響の如し」。『荘子・養生主』に「砉然として響く」。『前漢・賈山伝』に「天下響く」。また「饗」に同じ。『前漢・宣帝紀』に「天これを許して饗す」。注に「師古に曰く、嚮は饗と読む」という。『集韻』に「本は郷に作る」。考証:『広韻』に「『爾雅』に曰く、両階を嚮と謂う」。謹んで原文に従い、「両階」の下に「間」の字を増す。