康熙字典解説
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【卯集上】【心部】思。康煕字典の画数:9。ページ:381 ページ 04 行。古文は「恖」と書く。『広韻』に「息茲切」と注音し、『集韻』『韻会』に「新茲切」と注音し、『正韻』に「息移切」と注音す。音は「司」に同じ。『説文解字』に「聡明なること」と釈す。『書経・洪範』に「思曰睿(思うを睿と曰う)」とあり。『六書総要』に「念・思慮、事理を推究するを思と謂う。また願望を表す」と釈す。『詩経・大雅』に「思皇多士」とあり。鄭玄の箋に「思」を「願望」と釈す。孔穎達の正義に「心に思う所は、必ず情において願う所なり」という。また句末の語気詞として用いる。『詩経・周南』に「泳ぐべからず思」、また『大雅』に「神の格ちたまふ思」とあり。また句首の発語詞として用いる。『詩経・大雅』に「思斉たり太任」、また『魯頌』に「思楽なり泮の水」とあり。また諡法に「謀慮過ちなきを思と称す」とあり。また州名。楚の黔中の地、唐に思州を置き、思邛水に因みて名づく。また姓。諡を以て氏となす。明に思志道という者あり。また『広韻』『集韻』『類篇』『韻会』に「相吏切」と注音し、音は「四」に同じ。揚雄『甘泉賦』に「精を儲け思を垂る」とあり。また悲しみを表す。『詩経・小雅』に「思いて血を泣く」。注に「思、去声に読む。思は哀傷して思うなり。悲しみの義」とあり。また『書経・堯典』に「欽明文武思」とあり。注に「徳純全なるを思と謂う」とあり。音義に「思、息嗣反」と注音す。また本字の如く読むべし。また葉韻して「相居切」、音は「須」に同じ。徐幹『室思詩』に「妾身遠方に在りと雖も、豈君に片時背くべけんや。深情中に変ぜざれば、想来た君常に我を思念すべし」とあり。また葉韻して「桑才切」、音は「腮」に同じ。髭多き貌を形容す。『左伝・宣公二年』に「宋の城作る者謳って曰く、大いなる髭よ大いなる髭よ、兜を捨て鎧を棄てて走り還る」とあり。また思念を表す。『易経・咸卦』に「憧憧として往来し、朋従爾の思」とあり。『詩経・邶風』に「来る勿れ往く勿れ、使我悠悠として思う」とあり。『説文解字』に「心に従い、囟声」とあり。囟は頭頂の骨縫にして、囟門より心に至る、糸連ねて貫絶えざるが如し。