康熙字典解説
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【申集中】【虫部】蜃。康煕筆画:13。頁碼:頁 1084 第 07。『唐韻』時忍切。『集韻』是忍切。『正韻』時軫切。音は腎。『礼記・月令』野鶏大水に化して蜃と為る。〔注〕大なる蛤を蜃と曰う。『周礼・天官・鼈人』時を以て魚・鼈・亀・蜃及び諸の潜む者を籍す。『述異記』黄雀秋に化して蛤と為り、春に復た黄雀と為り、五百年にして蜃蛤と為る。『山海経注』蜃はまた蚌とも含漿ともいう。また『本草』に曰く、蜃は蛟竜の類にして、其の形も蛇に似て大なり。頭に角あり龍のごとく、鬣赤し。腰以下の鱗皆逆生じ、燕を食う。気を吐いて楼台城郭の像を成す。雨将に降らんとすれば現れ、これを蜃楼と名づけ、また海市ともいう。其の脂に蜡を和して燭と為せば、香気百歩に漂い、煙中にも楼台の形あり。『漢書・天文志』海辺の蜃気、楼台に象る像を成す。また『儀礼・既夕礼』に蜃車あり。〔注〕柩を載する車。地に贴近りて行くこと、やや蜃に似る。また蜃炭あり。『左伝・成公二年』宋の文公薨ず、始めて厚葬し、蜃炭を用う。〔注〕蜃殻を焼きて炭と為す。また蜃器あり。『周礼・春官・鬯人』四方山川の祭祀に蜃器を用うるを掌る。『荘子・人間世』馬を愛する者、筐を以て馬糞を盛り、蜃殻を以て馬尿を盛る。また『広韻』時刃切。音は慎。義同じ。また県名。『集韻』にまたと書く。『通志・六書略』にまた蜄と書く。考証:『周礼・天官・鼈人』「時を以て魚鼈を籍す」。謹んで原文に照らし、「籍」を「簎」に改む。