康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 396 ページ)
【卯集上】【心部】愨。康熙筆画 14、頁 396。『唐韻』苦角切、『集韻』『韻会』克角切、『正韻』乞約切、音は鷇。『説文』に「謹なり。心に从い声す」とあり。『広韻』に「善なり、願なり、誠なり」とある。『荀子・不苟篇』に「愨士有り」と見え、また『諡法』に「中外に行を見れば愨と曰う」とある。あるいは慤と作る。『礼記・礼器』に「七介以て相見る。然らずんば已に慤なり」とあり、また『檀弓』に孔子曰く「殷已に慤なり」とある。疏に「質慤なり」と釈す。またに通ず。『檀弓』「殷已に慤なり」。陸徳明『釈文』に「慤は本またに作る」と見える。また枯沃切に叶い、音は酷。張衡『東京賦』に「貴ぶ所惟賢、宝ぶ所惟穀。民末を去りて本に反り、咸忠を懐きて愨を抱く」とあり。『集韻』またに作る。大抵愨・慤・殻は或いは省き或いは通ず、存する可し。考証:また殻に通ず。『周礼・秋官・大司寇』の注に「願殻慎なり」とあり、亦た慤と作る。謹んで按ずるに、『周礼』の注に慤は殻を作らず、唯だ『檀弓』の釈文に慤字に殻と作る者有り。謹んで「殻に通ず」の殻を改め、『周礼』以下の十五字を「『檀弓』殷已に慤なり。陸徳明『釈文』に慤は本またに作る」と改む。張衡『東京賦』「民末を去りて本に反り、感懐忠にして愨を抱く」の条、謹んで原文に照らし「感懐」を「咸懐」に改む。