康熙字典解説
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【巳集下】【牛部】牽;康熙筆画 11;頁碼 701 頁 02 行。古文に摼と作る。【唐韻】苦堅切、【集韻】【韻会】軽煙切、音は岍。【説文】に「前に引く」とあり。牛に従い、牛を引く轡縄に象る。【易・夬卦】に「羊を牽けば悔い亡ぶ」。【書・酒誥】に「始めて車牛を牽く」。【礼・曲礼】に「馬・羊を献ずる者は右手をもって之を牽き、犬を献ずる者は左手をもって之を牽く」。また【周礼・天官・小宰】に「牢礼・委積・膳献・飲食・賓客・賞賜の飱と牲を掌る」とあり。注に「飱は夕食なり。牽は牽いて行うべき牲なり」という。【左伝・僖公三十三年】に「ただ乾肉・糧食および生ける牲尽きぬ」とあり。注に「牽は牛・羊・豕を指す」という。また【玉篇】に「引き、挽く」とあり。【左伝・襄公十年】に「この老いを拖累して此処に至らしむ」という。また【玉篇】に「連なり、関わる」とあり。【易・小畜】九二に「牽れて復る、吉」とあり。疏に「牽とは牽連なり」という。また【玉篇】に「促す」とあり。【礼・学記】に「君子の教は誘うにあり、導きて強いるにあらず」とあり。疏に「牽とは人を逼迫するなり。解せざれば亦急ぎ過ぎず、直ちに解せんことを強うるにあらず」という。また【管子・法法篇】に「令出でて行われざるを牽と曰う」とあり。また拘泥し局限することをいう。【史記・六国表】に「学者その見聞に牽かれ限られる」という。また牽牛は星宿の名。【礼・月令】に「朝、牽牛南方に中つ」とあり。また地名。【春秋・定公十四年】に「魯の定公、牽において斉侯・衛侯と会う」とあり。注に「魏郡黎陽県の東北に牽城あり」という。また人名。【左伝・成公十七年】に「鮑牽これを見る」とあり。また姓。【後漢書・皇甫規伝】に「実に兗州刺史牽顥の清廉勇猛に頼る」とあり。また【広韻】苦甸切、【集韻】軽甸切、音は俔。【広韻】に「牽挽」とあり。また【増韻】に「船を曳く縄、また百丈牽ともいう」とあり。また葉に詳均切と読む。【急就章】に「盗賊囚徒臀部を拷打され、同侶謀事敗れて互いに牽連し、詐欺誣告情状を審問して終に実へ帰す」とあり。【韻会】に掔とも作るという。