康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 382 ページ)
【卯集上】【心部】怩。康煕筆画:9。頁碼:382 頁 08 行。古文献に曰く、『唐韻』『集韻』『韻会』は女夷切、『五音集韻』は年支切で、音は「尼」に同じ。『説文解字』に「忸怩」とあり、慙愧の義なり。字形は「心」に従い、「尼」を声とす。『孟子』に「忸怩」見え、注に「慙愧の色」と釈す。また『正韻』に年題切とあり、音は「泥」に同じく、義も同じし。さらに『広韻』『韻会』に尼質切とあり、音は「暱」に同じく、羞愧の義なり。元は「」と作り、あるいは「怩」とも作る。按ずるに、「女」は孃母に属し、「年」は泥母に属す。当に孃母の発音を以て最も的確とすべきなり。蓋し泥母と孃母とは徵音において同じく、共に次濁に属するが故に、最も混同しやすい。然れども「泥」の音は舌尖前部にあり、「孃」母の音は舌面上部にあり、共に次濁なれど、「泥」の音は軽く、「孃」の音は更に軽し。此の別を弁ぜざるべからず。