康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1278 ページ)
【酉集下】【邑部】邻。康煕筆画数 19、頁碼 1278。古字形は「厸」。『唐韻』は力珍切、『集韻』『韻会』『正韻』は離珍切で、音は「粼」に同じ。『広韻』に「近なり、親なり」とあり、『正韻』に「比なり」とある。『釈名』に「鄰とは連の謂い、相互に連接するを指す」という。『周礼・地官・遂人』に「五家を以て一鄰とし、五鄰を以て一里とす」と記す。また国境を接する国を指し、これも隣という。『尚書・蔡仲之命』に「四方の隣国と和睦せよ」とある。また左右に輔佐する大臣を指し、これも隣という。『尚書・益稷』に「臣よ、近臣よ」とあり、注に「臣は人の立場より言い、鄰は職務の立場より言う」とある。また車の音を指し、「輚」に通ず。『詩経・秦風』に「車声輚輚」とあり、注に「衆多なる車声を形容す」とある。また『集韻』『韻会』『正韻』は良刃切で、音は「吝」に同じ。「甐」に通ず。『集韻』に「敝なり(破旧なり)」、『正韻』に「動なり」とある。『周礼・冬官考工記』に「輪たと敝るとも、枘眼ゆるみて損ぜず」と記す。注に「輪厚ければ、石これ磨损すと雖も、枘眼破損しあるいはゆるむこと能わざるがゆえなり」とあり、「甐」は版本により「鄰」とも作る。また葉音は陵延切で、音は「連」に同じ。陸機『挽歌』に「他人なお帰郷の日あり、我が此行くや帰年なし。昔は百姓の中に居り、今は万鬼の隣に身を寄す」とある。『正字通』に「本は『鄰』と作り、隷書は『隣』と作る。今は通じて『邻』と書く」とある。