康熙字典解説
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【戌集上】【金部】鉅;康煕筆画 13、頁 1300
『唐韻』に「其吕切」とあり、『集韻』『韻会』『正韻』に「臼許切」とあり、音は「巨」に同じ。
『説文解字』に曰く、「剛鉄」なり。形は「金」に従い、「巨」声なり。
『商子・論兵篇』に曰く、「怨如堅鉄」。
『史記・礼書』に曰く、「宛の鉅鉄」。【注】徐広曰く、「剛鉄を鉅と謂う」。正義に曰く、「鉅は堅鉄なり」。
また「大」の義。巨と同じ。
『史記・礼書』に曰く、「鉅なるは鉅に、小なるは小にす」。
また天子を「鉅公」と称す。
『前漢書・郊祀志』に曰く、「吾は鉅公を見んと欲す」。【注】張晏曰く、「天子は天下の父なれば、故に鉅公と号す」。師古曰く、「鉅は大の義なり」。
また『正字通』に曰く、尊者に通称す。
『李賀・高軒過詩』に文章大家を指す。
また『説文解字』に弓の名なり。
『荀子・性悪篇』に曰く、「繁弱・鉅黍は古の良弓なり」。
また剣の名なり。
『荀子・性悪篇』に曰く、「干将・莫邪・鉅闕・辟閭は皆古の良剣なり」。
また『正韻』に「呂鉅」、驕慢の貌なり。
『荘子・列御寇』に曰く、「命を受ければ直ちに呂鉅たり」。
また『五音集韻』に沢の名なり。
また地名なり。
『史記・殷本紀』に曰く、「鉅橋の粟を発く」。【注】服虔曰く、「鉅橋は倉廩の名なり」。許慎曰く、「鉅鹿の水の上に大橋あり、転輸の倉あり」。
また『項羽本紀』に曰く、「章邯は王離・渉間に命じて鉅鹿を囲ましむ」。
また『王子侯者年表』に「鉅合侯劉発」。【注】鉅合は平原郡に在り。
『前漢書・武帝紀』に曰く、「上、鉅定に親ら耕す」。【注】服虔曰く、「地名なり。東海に近し」。応劭曰く、「斉の県なり」。
また『地理志』に山陽郡に鉅野県あり、斉郡に鉅定県あり。
また人名なり。
『前漢書・古今人表』に封鉅は黄帝の師なり。
また『芸文志』に『将鉅子』五篇あり。【注】戦国の人なり。
また草の名なり。
『爾雅・釈草』に「蕎」、また「邛鉅」ともいう。【注】即ち今の薬草の大戟なり。『本草』に大戟、また名けて邛鉅といい、苗を沢漆と曰う。
また『韻会』に「鉤鉅」を指す。
『潘岳・西征賦』に曰く、「網の青鯤に鉤鉅を緩む」。【注】鉅は即ち鉤なり。
また「詎」(豈・怎)に同じ。
『戦国策』に曰く、「吾は大王の遽に忘るるを以てせんや」。【注】「鉅」は「詎」に通ず。
また「遽」(急・就)に同じ。
『荀子・正論篇』に曰く、「此れ豈に遽に辱められても辱めずと為すの理を知るべきや」。