康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 709 ページ)
【巳集下】【犬部】狙;康煕筆画:9;頁碼:709 頁 14 行目。『唐韻』親去切。『集韻』『韻会』『正韻』七慮切、音は覷に同じ。『説文』に「玃の類。犬に従い、且声」とあり。『戦国策』に「兵は固より天下の狙喜なり」と見え、注に「狙は玃の類にして狡黠なり。兵家の之が如くして可喜なるを言う」とす。また『管子・七臣七主篇』に「狙に従いて小察を好む」とあり、注に「狙は伺うなり。既に臣に任じて為す所あるに、必ず従いてこれを伺うを謂う」とす。『史記・留侯世家』に「良、客と共に秦皇帝を博浪沙中に狙撃す」とあり、注に服虔曰く「狙は伺うなり。七預反」。応劭云く「狙は伺うなり」。一に云く「伏して伺うなり」。狙の物を伺うや、必ず伏して之を為す。故に今云う狙是れなり。また『説文』に「一に狙は犬なり。暫く人を噛む者」とあり。一に「犬にして人を噛まざる者」ともいう。また『集韻』に庄助切、音は詛に同じ。猿の類。『荘子・斉物論』に「狙公、芧を賦す。朝三にして暮四なれば、衆狙皆怒る。曰く然らば朝四にして暮三なれば、衆狙皆悦ぶ」とあり。また『徐無鬼』に「呉王江に浮かび、狙の山に登る。衆狙これを見て、恂然として棄て走り去る」とあり。また『広韻』『韻会』七余切、『集韻』千余切、音は疽に同じ。『広韻』に「猿なり」。『集韻』に「猨の属」とす。また『前漢・諸侯王表』に「狙詐の兵を騁ず」とあり、注に応劭曰く「狙は伺うなり。音蛆の若し」。師古「音千絮反」。また『山海経』に「倚帝の山に獣あり、鼣鼠の如く、耳白く喙白し、名づけて狙如と曰う」とあり、注に「狙如は鼠にして、耳鋭く喙尖る」とす。また『集韻』『正韻』子余切、音は苴に同じ。猿の属。また『山海経』に「北号の山に獣あり、其の状狼の如く、首赤くして目鼠の如し。其の音豚の如く、名づけて猲狙と曰う」とあり、注に郭璞曰く「猲狙、音葛苴」。按ずるに韻書の『山海経』を引くるは、皆獦狚と作る。考証:『前漢・宣帝紀』に「狙詐の兵を騁ず」とあり、注に応劭曰く「狙は伺うなり。蛆の反の若し」。謹んで按ずるに宣帝紀に此文無し。謹んで原文に照らし宣帝紀を諸侯王表に改む。蛆の反を音蛆の若しに改む。