康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1488 ページ)
【亥集中】【鳥部】鴻;康熙画数:17;頁 1488。古文。【唐韻】戸工切。【集韻】【韻会】【正韻】胡公切。音は洪。【説文】に「鴻、鵠なり」とあり。【玉篇】に「鴻、雁なり」とあり。『詩』の伝に「大なるを鴻と曰ひ、小なるを雁と曰ふ」と云ふ。【陸璣の疏】に「鴻の羽毛は光沢純白にして鶴に似て大なり。頸長く、肉は鷹のごとく美なり。また小鴻あり、鳧のごとく色白し。今人直ちに之を鴻と謂ふ」とある。また『易・漸卦』に「鴻陸に漸く。その羽儀とするに用うべし」とあり。また旗の名なり。【礼・曲礼】に「前に車騎あらば、すなわち飛鴻を載す」とあり。【鄭註】に「鴻は飛ぶに行列あるを取る」という。また通じて洪と作り、大なるの義なり。【史記・河渠書】に「禹鴻水を抑ぐ」とあり。【楚辞・天問】に「汨鴻に任ぜずんば、何を以か之を尚ぶや」とあり。【註】に「鴻、大水なり」という。また傭(均)の義なり。【周礼・冬官考工記】に「梓人筍簴を為す。首小さくして長く、身を摶(まる)くして鴻(均)なる者は、これを鱗属と謂ひ、以て筍と為す」とあり。【註】に「鴻、傭なり」という。また【周礼・冬官考工記】に「矢人これ橈(たわ)めて、その鴻殺の称を眡(み)る」とあり。【疏】に釈して云ふ、「鴻は即ち上文の强き是れなり。殺は即ち上文の弱き是れなり」と。また地名なり。【左伝・昭公二十一年】に「斉師・宋師呉師を鴻口に敗る」とあり。【註】に「梁国睢陽県の東に鴻口亭あり」という。また鴻溝なり。【史記・蘇秦伝】に「大王の地、南に鴻溝あり」とあり。【註】に「滎陽に在り」という。また虫の名。蜚鴻なり。【史記・周本紀】に「蜚鴻野に満つ」とあり。【註】に「蠛蠓なり」という。また姓なり。衛の大夫鴻騮魋、【左伝】に見ゆ。鴻安丘、【後漢書】に見ゆ。また人名なり。大鴻は堯の臣の名。梁鴻は漢の人なり。また【広韻】【韻会】胡孔切。【集韻】戸孔切。音は汞。澒と同じ。【揚雄・羽猟賦】に「鴻絧緁猟」とあり。【師古註】に「鴻絧、直馳する貌なり」という。また鴻濛は元気なり。【淮南子・俶真訓】に「鴻濛を以て景柱と為す」とあり。【註】に「東方の野、日の出づる所なり」という。また【集韻】【類篇】虎孔切。音は嗊。義同じ。また【集韻】胡貢切。音〇。鴻洞は深遠なり。一に曰ふ、相連次する貌なりと。また【字彙】古送切。音は貢。【淮南子・精神訓】に「澒濛鴻洞」とあり。【註】に「鴻は子贛の贛のごとく読む」という。また叶して胡光切。音は黄。【呂氏春秋】に「彭祖は以て寿ぎ、三代は以て昌なり。五帝は以て昭らかなり。神農は以て鴻なり」とあり。考証:「搏身而鴻」は、『周礼』の原文に照らして「搏身」を「摶身」に改む。【広韻】【韻会】「胡孔切」、【集韻】「戸孔切」、音は永」は、原文に照らして「音永」を「音汞」に改む。【揚雄・校猟賦】「鴻絧緁猟」は、原文に照らして「校猟賦」を「羽猟賦」に改む。【淮南子・俶真訓】「以鴻濛爲景」、【註】「鴻濛、東方日所出地」は、原文に照らして「爲景」の下に「柱」の字を増し、「鴻濛東方日所出地」を「東方之野日所出」に改む。