康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1491 ページ)
【亥集中】【鳥部】鵠;康煕筆画:18;頁碼:1491 頁 06 行
【唐韻】【集韻】【韻会】胡沃切、音翯。
【説文】鴻鵠なり。
【顔師古曰】鵠は水鳥にして、その声鵠鵠たり。
【本草】鵠は雁より大きく、羽毛白く沢あり。その翔ぶこと極めて高く、歩むことを善くす。一名じて天鵝という。
【史記・陳渉世家】燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知るや。
また黄鵠。
【玉篇】黄鵠は仙人の乗ずる所なり。
【前漢・賈誼伝】黄鵠の一挙にして山川の紆曲を知り、再挙して天地の円方を知る。
また鵠立。
【後漢・袁紹伝】瞻望して鵠立す。
【注】企て佇むの状、鵠の立つがごとし。
また鵠蒼、犬の名なり。【博物志】に見えたり。
また【爾雅・釈器】象を謂って鵠とす。
【郭注】鵠は朴を治むるの名にして、その朴を治めて未だ器を成さざるを謂う。
また【後漢・呉良伝】大儀鵠発す。
【注】鵠発すなわち鶴髪なり。
また【集韻】【正韻】姑沃切、音牿。
【周礼・天官・司裘】王の大射には、すなわち虎侯・豹侯を共にし、その鵠を設く。
【鄭司農云】鵠は鵠毛なり。四尺を鵠と曰う。これを鵠と謂うは、鳱鵠に名を取れるなり。鵠は小鳥にして中ち難し、是を以て之を中つを隽と謂う。一説に鵠は鳥の大なる者にして、力ありて遠く飛ぶ。故に正鵠これを取る。
【礼・射儀】声に循いて発し、正鵠を失わず。
【注】布に画くを正と曰い、皮に棲むを鵠と曰う。鵠の言は梏なり。梏は直なり、人の正直にして乃ち能く中つを言うなり。
また姓なり。【万姓統譜】に見えたり。
また【正字通】音告。地名に鵠沢あり。
【詩・唐風】子に従って鵠に于く。
【毛伝】鵠は曲沃の邑なり。
【前漢・地理志】鵠沢。
【注】孟康は告と読む。
また【呂覧】鵠たり其れ周智慮を羞ずるや。
【注】鵠は浩のごとく読む。大なり。
按ずるに『正字通』に云う、『転注古音』『読書通』倶に鵠は通じて鶴に作すと云う。『淮南子・覧冥訓』に「鴻鵠・鹴鶴、驚憚伏竪せざる莫し」。『班固・西都賦』に「鶴・白鷺・黄鵠・鵁鶄」。『左思・呉都賦』に「鳥則ち鹴・鵠・鶄・鶴」。皆鵠と鶴とを分けて二とし、『別鶴操』の雄鵠・雌鵠、『劉孝標・弁命論』の亀鵠千歳、『費昶・搗衣』の詩に「縕を開き亀鵠を舒ぶ」に至りては、古本皆鶴に作り、俗に訛って鵠と為す。豈に此に拠って鵠すなわち鶴なりと謂うべけんや。鶴はただ葉音鵠と同じきのみ。『嵆康・琴賦』に鶴と曲と葉して鵠のごとく読む。豈に鵠すなわち鶴なりと言うべけんや。故に鶴は宜しく鵠に通ずべからず。