康熙字典解説
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【亥集下】【亀部】亀;康熙筆画:16;頁碼:頁 1537 第 26
【唐韻】音「居追切」、【集韻】音「居逵切」、【韻会】音「居為切」、いずれも「騩」に同じ。甲虫の長なり。
【説文解字】亀は、外に硬殻あり内に肉身ある動物なり。
【玉篇】亀甲に文あり、進取を象る。外に硬骨あり内に肉身あり、天生じて雄なく、蛇を配偶とす。
【爾雅・釈魚】十種の亀を載す:一には神亀、二には霊亀、三には摂亀、四には宝亀、五には文亀、六には筮亀、七には山亀、八には沢亀、九には水亀、十には火亀。
また【爾雅・釈魚】に曰く:三足の亀、名付けて「賁」という。
【疏】三足の亀の名を賁という。
また【広雅】に曰く:亀甲と貝とは、古え貨幣と為れり。
【前漢・食貨志】に曰く:天に飛ぶものは龍に如く神なるものなく、地に走るものは馬に如く用あるものなく、人の用うるものは亀甲に如く重きものなし。
また星宿の名を指す。
【石氏星経】に曰く:天亀星六つあり、尾宿の南、銀河の中に在り。
また地名を指す。
【春秋・桓公十二年】に曰く:魯の桓公、亀において宋公に会う。
【杜注】亀は宋の地なり。
また山名を指す。
【詩経・魯頌】に曰く:亀山と蒙山とを有す。
【毛伝】亀は山名なり。左伝に曰く、亀陰の田は亀山の北に在り。この山は今山東兗州府泗水県に在り。
また動物の背脊を指す。
【左伝・宣公十二年】に曰く:麋を射て、矢その脊の高きに中たる。
【杜注】「麗」は附著の義なり。「亀」は背脊の中央隆起する部分を指す。
また官名を指す。
【周礼・春官・亀人】に曰く:亀人は六種の亀に関する事を掌る。
また「亀目」は酒樽の一種を指す。
【礼記・明堂位】に曰く:周は「黄目」の酒樽を用ゆ。大概は亀目の紋様をもって酒樽を飾れるなり。この亀目の紋様は黄色なり。
また【広韻】音「居求切」、「鳩」に同じ。「亀茲」を指す。西域の国名なり。
【前漢・西域伝】亀茲、音「鳩慈」と読む。
また【集韻】【韻会】音「袪尤切」、【正韻】音「駆尤切」、いずれも「丘」に同じ。亀茲はまた漢代の県名なり。
【前漢・地理志】上郡亀茲属国都尉の治所。
【注】応劭曰く:音「丘茲」と読む。顔師古曰く:亀茲国人来たりて帰降し、ここに安置せられたるが故に、この名を取れり。按ずるに、亀茲の「亀」字、「鳩」「丘」の二音あり。
また【張衡・西京賦】に曰く:紫貝を拾い、老亀を捕う。水豹を捉え、潜牛を繋ぐ。ここにおける押韻の状況によれば、「亀」字もまた尤韻に押す。ただ「亀茲」の一詞のみが「丘」「鳩」の二音を持つにあらず。
また【集韻】【韻会】音「倶倫切」、「麋」に同じ。
【荘子・逍遙遊】に曰く:宋に手皸を防ぐ薬を作るに善き者あり、世々纊を漂うことを業とす。
【注】「不亀」とは、(薬を用いて)手が凍みて皸裂せず凍瘡を生ぜざるをいう。
【釈文】反切の音「挙倫反」。
また葉韻して音「於居切」と読む。
【易経・損卦】に曰く:価十朋の亀を賜うも、辞すべからず。
【王褒・僮約】に曰く:網を編んで魚を捕り、係矢を以て鴈と鳧を射る。山に登って鹿を射、水に入りて亀を刺す。
【正字通】「亀」は其の本字なり。
考証:【爾雅・釈虫】十亀。一に神亀、二に霊亀。謹んで按ずるに、原書は「釈虫」を改めて「釈魚」とす。
【爾雅・釈虫】亀三足、賁。謹んで按ずるに、原書は「釈虫」を改めて「釈魚」とす。