康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 783 ページ)
【午集中】【癶部】癸。康煕筆画:9。頁碼:783 頁 32 行。古文。『唐韻』居誄切。『集韻』『韻会』頸誄切。『正韻』古委切。規の上声。十干の末。『説文』冬の時、水土平らにして揆度すべし。『正韻』癸は帰蔵の義なり。季節においては冬に当たり、方位は北、五行では水に属し、五運では火に属す。『史記・律書』癸とは揆度の義なり。万物みな揆度すべしと謂う。『前漢書・律暦志』癸において揆度す。また年・月・日の名に用う。『爾雅・釈天』太歳(古代に紀年に用いる歳干支の別名)が癸にある年を昭陽という。月が癸にある月を極という。『礼記・月令』冬の初月、その日干は壬癸なり。【注】太陽の運行、東北の方にて黒道に循り、万物を閉蔵す。月これに輔い、この時万物下に妊みて萌芽を始めんとする。ゆえにこれを以て日干の名となす。また「庚癸を呼ぶ」というあり。軍中の隠語なり。『左伝・哀公十三年』呉の申叔儀、公孫有山氏に糧を乞う。公孫有山氏答えて曰く、「首山に登りて『庚癸や』と叫ばば、我これに応ぜん(糧を与えん)」と。【注】庚は西方に在り、穀を主る。癸は北方に在り、水を主る。【疏】軍中にて糧を他者に与うることを得ず。故に隠語を以て私下の約号となす。また「天癸」あり。天乙(あるいは先天)の生ずる癸水を指す(人体内の生殖発育に関わる物質を指す)。『黄帝素問』女子十四歳にして天癸至る(月経始まる)。『方書』男子の精、女子の血、先天にこれを得て形成し、後天にこれを得て生長す。故に天癸と名づく。また姓あり。『姓苑』斉の癸公に出づ。後に宋の癸仲、厳州知州となる。『説文』本は「癸」と作り、水四方より地中に流入する形状に象る。癸は壬を受け、人の足に象る。『六書正訛』二木の交錯して置くは、土地を測って平らを求めるなり。義「准」と同じ。篆文は二つの「木」を用い、象形なり。音相近きがゆえに借りて「壬癸」の「癸」となす。隷書別に「癸」「揆」「楑」と作り、意通ず。