康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 439 ページ)
【卯集中】【手部】掣;康煕筆画:12;頁碼:439 頁 01 行
『唐韻』『集韻』『韻会』『正韻』に反切「尺制切」とあり、音は「懘」に似る。
『爾雅・釈訓』に「甹夆」を釈して、牽引し拖拽するの意とす。
『易・睽卦』に「輿曳て牛掣る」と見え、車を拖え牛が牽くさまを説く。
注に「滞り阻みて進むべからず」と釈す。
『唐書・陸贄伝』に「用うべきならば当に終始を任ずべく、内に掣肘して阻むべからず」とあり。
劉邵『飛白賛』に「素は氷解するが如く、墨は電過ぐるが如し。直きは矢馳せるが如く、曲れるは尺蠖の態に似たり」と形容す。この字は時に「𢱧」と作り、また「摯」とも作る。
また『唐韻』に反切「昌列切」、「集韻」「韻会」に反切「尺列切」とあり、音は「滞」の入声に似る。義同じ。また「拉・挽」の意あり。
また「挙ぐ・提起す」および「取り取る」の意あり。
『晋書・王献之伝』に「王献之、七八歳にして書を学ぶ。羲之後より突然その筆を掣えども、掣え落ちず」と記す。
また『正韻』に反切「敕列切」とあり、音は「徹」に似る。義同じ。
『類篇』に「挈」と通ずと説く。
また『玉篇』に「掣」は「𢺳」と同字なりとし、牽引の意とす。
『説文解字』に「牵引し縦放するを𢱧と謂う。手に従い、瘛を省きて声とす。反切は尺制切」と釈す。
『六書故』に「瘛瘲は小児の風症により驚厥し、時に抽搐し時に弛緩するを指す。掣は抽搐のことで、縦は抽搐の後忽然として舒展するなり。『瘛瘲』の語は抽搐と舒展の状に応じて造字せられたるものなるに、今では誤って『𢱧』と書き、さらに『瘛』の偏旁を加うるに至り、その謬り甚だし」と説く。