康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 514 ページ)
【辰集上】【木部】杼;康熙筆画:8;頁碼:514 頁 08 行。【唐韻】【韻会】【正韻】直呂切。【集韻】丈呂切。音は「除」の上声。【説文解字】に「緯を引く機(織機の部品)」と釈す。【詩経・小雅】に「小東大東、杼柚其れ空し」とあり。また【揚子・方言】に「杼柚は作を指す。東斉では土器を杼といい、木器を柚という」とあり。また「削って薄くする」の義あり。【周礼・冬官考工記・輪人】に「凡そ輪を作るに、泥行する者は薄くして泥土の付着を防ぐ」とあり。【注】に「輪の地に接する部分を削って薄くする」と釈す。また「削り減ずる」の義あり。【周礼・冬官考工記・玉人】に「大圭長さ三尺、首を椎形に削ぎて天子之を用う」とあり。また「長き」の義あり。【揚子・方言】に「豊地の人は頭長し」とあり。また「芋」とも書き、栗属を指す。【荘子・山木篇】に「粗衣を着、杼栗を食らう」とあり。また【集韻】常恕切、音「署」に同じ。泄水槽を指す。【管子・禁蔵篇】に「燧を鑽り火を改め、井を浚ぎ水を易う」とあり。また莫切、音「茂」に同じ。果名の一種を指す。また【広韻】羌挙切、橡樹を指す。また【広韻】神与切、【集韻】上与切、音「墅」に同じ。樹名の一種。すなわち栩樹なり。【爾雅・釈木】に「栩はすなわち杼なり」。【疏】に「栩はまた杼ともいい、すなわち柞樹なり」とあり。【山海経】に「景山、その木多く杼と檀とあり」とある。按ずるに【説文解字】において「栩也」は「」字の釈であり、「杼」は「緯を引く機」と釈され、両字は音同じくして義異なる。今の韻書は直呂切の下に【説文】に従い「杼」と「」を分別して立て、神与切の下には「」を去りてただ「杼」のみを残し、かつ「栩也」を以て「杼」字の釈となす。これ【説文】に従い分別して立つべきが正しいかと思われる。しかるに【爾雅】等の書に栩樹を挙ぐるに皆「杼」と書き、【玉篇】の註に「今杼と作る」とあれば、竟に両字を一に併せたるなり。姑く記して考証を俟つ。考証:【詩経・小雅】「大東小東、杼柚其れ空し」。謹んで原文に従い「小東大東」に改む。