康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 859 ページ)
【午集下】【禾部】穎;康熙画数:16;頁碼:859 頁上段 25。『唐韻』余頃切、『集韻』『韻会』『正韻』庾頃切、音は頴。『玉篇』に「禾の穂の末端」とある。『詩経・大雅』に「穀粒充ちて穂垂る」とあり、伝に「穎とは垂れ下がる穂の先を指す」と注す。疏に「穎は禾の穂が挺つ部分にして、穂重くして穂先低垂するさまを形容す」とある。『書序』に「唐叔、異畝而同穂の禾を得たり」とあり、伝に「穎すなわち穂なり。禾各々一茎を生ずれども、一穂に合す」と注す。また刀環を指す。『礼記・少儀』に「刀を授くるには鋒を後に向け、環を以て相手に授く」とあり。また錐の尖端を指す。『史記・平原君伝』に「錐を囊中に置くが如し、錐尖直ちに穿ちて顕出す」とあり。また警枕(人を警醒せしむる枕)を指す。『礼記・少儀』に「枕・杖・琴・瑟を陳ぶ」とあり、注に「穎すなわち警枕なり」とし、疏に「穎に警醒・啓発の意あるがゆえに警枕を指す」とある。『釈文』に「穎、音は京領反」と読む。また『韻会』に毛筆の筆尖を指すとあり、韓愈『毛穎伝』を作れり。また『正字通』に才能衆に秀でたる人をも亦た穎と称すとあり、陸機『文賦』に「優なるを選び、傑なるを抜く」という。また姓とする。『左伝・隠公元年』に「穎考叔は潁谷の封疆の官なり」とあり、後人これをもって姓とす。『急就篇』にも「潁」と作る。按ずるに、穎字は『説文解字』に従って禾部に帰すべきなり。『字彙』『正字通』誤って頁部に帰せり、今これを正す。