康熙字典解説
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【寅集上】【尸部】尹;康煕筆画:4;頁碼:299 頁 27 行
古文。『広韻』于准切、『集韻』『韻会』庾准切、音は允。『説文』に「治む」とあり、又と丿に従う。事を握る者なり。『広韻』に「進む」、また「正す」とあり。『書経・君陳』に「尹茲東郊」とあり。また『多方』に「畀殷命、尹爾多方」とあり。注に「天、文武に殷の命を付与して、汝が多方を正すと言えり」という。
また官名。『書経・益稷』に「庶尹允諧」とあり。伝に「尹は正なり。衆の正官の長なり」という。応劭曰く「天子の相を師尹と称す」。薛瓚曰く「諸侯の卿は、惟だ楚のみ令尹と称し、余国は相と称す」。他に『周礼』の門尹が門を除き、『月令』の奄尹が宮令を申べ、『国語・周語』に関尹が告ぐるなど、皆これなり。
また誠なり、信なり。『礼記・聘義』に「孚尹旁達、信なり」とあり。注に「玉という物は、孚尹中にありて旁外に達す、ゆえに信となる」という。応氏曰く「尹は当に允と作るべし。允もまた信なり」。
また『礼記・曲礼』に「脯を尹祭と曰う」とあり。疏に「脯は必ず裁ち割きて方正にして、而る後に祭るなり」という。
また姓。周に尹吉甫あり。
按ずるに『李氏詳校篇海』に「尹は古音允、今音引、非なり」とある。