康熙字典解説
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【戌集中】【阜字部】陽;康熙筆画:17;ページ番号:1347 頁第 07
「陽」と同じ。『字彙補』の注釈を参照のこと。
「陽」の古文。
『唐韻』は「与章切」、『集韻』『韻会』は「余章切」、『正韻』は「移章切」と注音し、音は「羊」に同じ。
『玉篇』に曰く、「天功を成し万物を顕ならしむるを陽と謂う」。
『説文解字』に曰く、「高くして明らかなるなり」。
また太陽を指す。
『詩経・小雅』に曰く、「湛々たる露、日にあらずんば乾かず」。毛伝に曰く、「陽は日なり」。
『左伝・文公四年』に曰く、「天子は日に面すべし」。
『礼記・祭義』に曰く、「殷人は日中に祭る」。注に曰く、「陽は正午を指す」。
『孟子』に曰く、「秋日の陽をもってこれを乾かす」。
また『楚辞・遠遊』に曰く、「九天に登り、帝宮に入る」。注に曰く、「陽気積もって天となり、天九重なれば、ゆえに重陽と謂う」。
また『玉篇』に曰く、「双数なり」。
また月を指す。
『爾雅・釈天』に曰く、「十月を陽と謂う」。
『詩経・小雅』に曰く、「歳また十月に至る」。
また『爾雅・釈天』に曰く、「春を青陽と謂う」。注に曰く、「気候清和にして温暖なり」。
また『爾雅・釈天』に曰く、「太歳癸に在るを昭陽と謂う」。
また五月五日を端陽、九月九日を重陽と謂う。『月令広義』に見える。
また『爾雅・釈山』に曰く、「山の西を夕陽、東を朝陽と謂う」。
『詩経・大雅』に曰く、「度その山西」。また曰く、「梧桐生ず、彼山の東に」。
また河流の北岸を指す。
『詩経・大雅』に曰く、「洽水の陽に在り」。
『穀梁伝・僖公二十八年』に曰く、「水北を陽と謂う」。
また『釈名』に曰く、「高き丘を陽丘と謂う。地高くして陽気に近ければなり」。
また『詩経・豳風』に曰く、「我が朱は陽なり」。毛伝に曰く、「陽は明なるなり」。
また『玉篇』に曰く、「清亮なり」。
また『詩経・周頌』に曰く、「龍旂陽陽」。毛伝に曰く、「陽陽は文ある貌なり」。
また『詩経・王風』に曰く、「君子陽陽」。毛伝に曰く、「陽陽は無所用心の貌なり」。
また『周礼・地官・大司徒』に曰く、「陽礼をもって譲りを教えば、民争わず」。注に曰く、「陽礼は郷射・飲酒の礼を指す」。
また国名を指す。
『春秋・閔公二年』に曰く、「斉人陽を遷す」。注に曰く、「陽は国名なり」。
『戦国策』に曰く、「漏れる舟を塞ぎて陽侯の波を軽んず」。注に『博物志』を引いて曰く、「晋の陽国侯水に溺れて死し、ゆえに海神となる」。
また『春秋・昭公十二年』に曰く、「斉の高偃師を率いて北燕の君を陽に納る」。注に曰く、「陽は即ち唐の地にして、燕の別邑なり。中山に唐県あり」。
また県名を指す。
『史記・高祖本紀』に曰く、「西して高陽を経る」。注に曰く、「高陽は留郡に属す」。
また関隘の名を指す。
『漢書・西域伝』に曰く、「陽関を去ること七千八百二里」。
また『左伝・昭公二十四年』に曰く、「魯の昭公斉に奔り、陽州に次ぐ」。
また「陽城」は山名。漢代に県を設け、潁川郡に属す。
また古代帝王の号を指す。
『史記・五帝本紀』に載す、「帝顓頊、号を高陽氏とす」。
また『釈名』に曰く、「立人」の旁は人の立つが如し。或いは「陽門」と謂う。前に在るを陽と為し、両辺門の如し。
また『玉篇』に曰く、「傷なり」。
また『荘子・達生篇』に曰く、「西北の方の下は、泆陽の鬼の居る所なり」。注に曰く、「泆陽は鬼の名なり」。
また『抱朴子・登渉篇』に曰く、「山中の木人能語するは、木能く語るに非ず、其の精為す所なり。名づけて雲陽と曰う」。
また「昌陽」は菖蒲の別名なり。
韓愈『進学解』に曰く、「昌陽以って年を延ぶべし」。
また姓として用いる。
『史記・司馬相如・子虚賦』に曰く、「陽子驂乗す」。注に曰く、「陽子は古の仙人陽陵なり」。
『広韻』に載す、「周の景王小子を陽樊に封ず。後世封邑を以って氏と為す」。
また漢代に複姓二十二あり。欧陽・高陽・青陽・孫陽・子陽・周陽・涇陽・偪陽・梗陽・戯陽・鮭陽・葉陽・陵陽・鮮陽・櫟陽・濮陽・太陽・老陽・安陽・成陽・朱陽・索陽なり。
また「揚」に通ず。
『礼記・玉藻』に曰く、「気を充たして美を発揚す」。注に曰く、「顛は阗と読み、揚は陽と読む。身の気を充たし、陽気の万物を滋養すが如し」。
『釈名』に曰く、「陽は揚なり。気外に発揚するなり」。
また「佯(いつわり)」に通ず。
『礼記・檀弓』に曰く、「陽に之を許す」。
『漢書・高帝紀』に曰く、「陽に懐王を尊んで義帝と為れども、実に其の令に従わず」。
また音「腸」を読む。
『爾雅・釈詁』に曰く、「陽は我なり」。注に曰く、『魯詩』に「陽如之何」とあり。今巴濮の人自ら阿陽と称す。疏に曰く、『漢書・芸文志』に曰く、魯の申公詩の訓詁を作れるがゆえに魯詩なり。其の経文に「陽如之何」とあり。申公陽を我と訓ず。ゆえに之を引く。『釈文』に音「腸」と注す。
『五音集韻』に曰く、俗体は「𨹏」と作る。
『字彙』に曰く、俗体は「阦」と作る。
『字彙補』に曰く、また「陽」「氜」とも作る。