康熙字典解説
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【卯集中】【戈部】戯。康煕筆画:17。頁碼:414 頁下段 23 行。『広韻』『集韻』『韻会』香義切。『正韻』許義切。音は希の去声。『説文』に「三軍の偏師を指す」とあり、一説に「兵器を指す」ともいう。また『広韻』に「戯弄を指す」とある。『礼記・坊記』に「閨門の内、戯して嘆ぜず」と見え、注に「戯は孩童の説笑を指す」とあり、また「冗談を言うこと」を指し、『詩経・衛風』に「善く戯謔す」とある。さらに「戯れ遊ぶこと」を指し、また姓ともなる。『三国志・魏志』に「潁川の人、戯志才」と見える。また『広韻』に「古文の呼の字」とあり、詳説は口部五画に見る。また『広韻』許羈切。『集韻』『韻会』『正韻』虚宜切。音は羲。『集韻』に「嗚戯は感嘆詞なり」とある。按ずるに、『広韻』はこの字を虞韻に入れ「古文の呼の字」としつつ、同時に支韻にも入れ、感嘆詞とも解する。されば戯字には二種の読みあり、本来いずれも通ずべし。『正字通』に曰く、「詩中の『於戯』は『嗚呼』にして感嘆詞なり。時に賛美を表し、時に悲哀を表す。後世の文人、強いて体例を定め、哀悼の祭文には『嗚呼』を用い、封官授爵の文書には『於戯』を用ゆ。『嗚呼』は悲哀を表し、『於戯』は賛嘆を表すと為すは牽強付会なり」という。この説実に是なり。然れども「呼」と「戯」と相通ずとすれば、「戯」は「呼」と読むべけれども、「呼」はなお「戯」と読むべからず。蓋し「戯」字に「羲」の読みあるに対し、「呼」字は専ら七虞韻に属するが故なり。また「羲」とも通ず。伏羲。『荘子』は伏戯と作り、『史記』は虙戯と作る。『荀子・成相篇』に「文武の道、虙戯と同じ」とある。また地名なり。『国語・魯語』に「周の幽王、戯に滅ぶ」と見える。また『集韻』呼為切。『韻会』吁為切。「麾」と同じ。『集韻』に「旌旗の類を指す」とあり、『周礼・夏官』に「大麾を立てて田す」と見え、或いは戯と作る。『史記・項羽本紀』に「諸侯、戯下に罷り、各々国に就く」とあり、注に「麾に同じ」という。また『集韻』駆為切。音は亏。「傾斜」を指す。『周礼・春官・喪祝』の注に「披を執りて傾戯を防ぐ」と見える。また『集韻』于宜切。音は漪。本字は「陭」。『説文』に「上党の陭氏の阪」とあり、或いは戯と作る。また『集韻』桑何切。音は娑。娑の本字は「犠」。『周礼・春官・両献』の注に「酒尊の名。翡翠を以て飾る。鄭司農の説、或いは献と作り、また戯とも作る」と見える。