康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 404 ページ)
【卯集上】【心部】憲;康熙画数 16;頁碼 404 頁 11 行。『唐韻』『集韻』『韻会』に「許建切、音は獻」とある。法を懸げて人に示すを憲という。字形は「害」の省画に「心」「目」を加えて成る。法の象を観せしめ、不善の害を明らかに知らしむるなり。目に触れ心に動じ、威厳にして犯すべからず。『周礼・天官・小宰』に「王宮に令を懸ぐ」とあり。註に「憲は懸けて示すを謂う。今、新令を頒布するがごとし」という。『詩・大雅』に「文王・武王は憲たり」とあり。箋に「憲は表率なり。文王・武王の法式たるを言う」という。憲に表率の義あるにより、人これに則り学ぶをもまた憲という。『書・説命』に「惟聖人天に憲ぶ」とあり。伝に「憲は法なり。聖王天に法りて天下に教化を立つるを言う」という。『礼記・内則』に「五帝に憲ぶ」とあり。註に「その徳に法る」という。また『説文』に「敏なること」とある。『礼記・学記』に「慮を発するや憲に合す」とあり。註に「謀慮を起こすには、必ず法度に準じて擬定すべきを言う」という。徐鍇曰く、「目と心相応ずるを敏という」と。また『諡法』に「博聞強記を憲という」とある。また『詩・大雅』に「憲憲たること勿れ」とあり。毛伝に「憲憲は欣欣(喜び楽しむさま)のごとし」という。箋に「汝、喜々として彼の為に法度を定め、その意を実現して悪を成すことを助くる勿れ。これ蓋し当時旧章を変え新令を創るを譏るなり。この『憲憲』の二字は、おそらく諧謔の辞にして深く諷刺するものならん。後人、正文の『憲』を引きて『憲』を釈し、遂に『憲』を人に悪行を示すものと解せるは、その本義より何万里を隔つるや。大抵字書が字義を釈するに、多くこの病を犯す。辨ぜざるべからず」という。また州名。もと楼煩監なり。唐に州を置く。また姓。『姓苑』に出ず。『集韻』に或いは(異体字)と作る。また『集韻』『韻会』に「呼典切、音は顯」とあり。『韻会』に「盛んなるさま」という。『詩・大雅』に「憲憲たる令徳」とあり。『中庸』に『詩』を引きて「憲憲令徳」と作る。『正字通』に「憲は顕すの義あり」という。また葉音「虚言切、音は軒」。『詩・小雅』に「万国これに則る」。上の句の「原」「閑」「軒」と韻を協す。また『大雅』に「憲憲たること勿れ」。上の句の「難」と韻を協す。「難」は泥涓切と読む。