康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 281 ページ)
【寅集上】【宀部】它;康煕筆画:5;頁碼:281 頁 14 行。『玉篇』に「これは古文の『佗』の字なり。佗はすなわち蛇の意味なり」とある。『説文解字』は「虫類なり」と釈す。もとは「它」と書き、字形は「虫」の字を引き延ばしたるものなり。上古の人々は草莽に住み、蛇に遇うことを恐れたれば、互いに「無它乎(蛇なきや)」と问候せり。また『玉篇』に「非ず」「異なる」と釈す。『正字通』は「佗」「他」と同じとし、『易経・比卦』に「終には他の吉祥あらん」とあり、『礼記・檀弓』に「あえて他の念い有らんや、ゆえに君の道を辱しむ」と見え、また『揚子・法言』に「堯・舜・周文王の道に合するは正道なり、合せざるは他の道なり。君子は正道を守りて他を求めず」という。さらに『正訛』に「它は大なる虫なり。字形は虫の屈曲せる状に似たり。今の字は『虫』旁を加えて『蛇』と作り、音に『食遮切』『托何切』の二つありて、両音通用すべし」とある。