康熙字典解説
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【戌集上】【門部】閷。康煕筆画 16、頁碼 1336 第 18。『正字通』に「殺」に同じとあり。上声・去声・入声の三読みがある。『考工記』に「人が牛角を視るに、秋に殺したるものは厚く、春に殺したるものは薄し」と見え、注に「閷は殺に同じ、入声に読む」とある。また『弓人』に「柎(弓の側骨)を作るとき、もし変形すれば必ず閷(弓の接合の中)を動かす」とあり、注に「柎は弓の側骨、閷は接合の中を指す。柎と接合の中とは体用相対なり。柎一旦変形せば、接合の中も随いて動く」という。陸徳明『經典釋文』の音に「閷、色界反」と注す。さらに『匠人』に「凡そ堤を防ぐに、広さ高さ相等しく、堤基より上、高さ三分の一のところより内へ閷(収減)す。大なる堤は収減すること多し」とあり、注に「閷は削減の義なり。堤の基脚は高さの三分を占め、上の二分は収減して堅固なり。大なる堤は基脚三分の外、上面二分の内にて収減す。重ねて収減すれば堤いよいよ堅固なり」という。「生殺」の殺は入声、「隆殺」「等殺」(等級・递减)の殺は去声。「殺」の字は必ずしも『周礼』のごとく「閷」と作るべからず、俗字の「煞」に因るも可なり。『正韻』も「六泰」韻の「殺」の注に「煞とも作る」といい、「四轄」韻の「殺」の注に「罪によらずして曰く殺(罪名によらずして処死する)」と釈す。総じて「殺」を「閷」「煞」と書くというのは非なり。『周礼』が「殺」を改めて「閷」とするのは、あまりに拘泥せり。その他の詳解は「殳」部の「殺」の注に詳らかである。