康熙字典解説
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【申集上】【艸部】莽;康煕筆画:14;頁碼:頁 1036 第 41【玉篇】【唐韻】【広韻】莫朗切【集韻】【類篇】模朗切、音は蟒。【説文】南昌の人は、犬が草叢の中で兎を追うのに巧みなことを「莽」という。また【揚子・方言】に「草」を南楚では「莽」という。【孟子】に「民間において草莽の臣と称す」。【趙岐注】に「莽もまた草の意味なり」。【屈原・離騒】に「夕べに洲上の宿莽を採る」。【注】に「宿莽とは冬に生えて枯れぬ草を指す」。また【周礼・秋官・剪氏】に「蠧虫を除くことを掌り、莽草をもって之を薫ず」。【山海経】に「朝歌の山に草あり、名づけて莽草と曰う、以て魚を毒すべし」。また【拾遺記】に「莽煌という草あり、これをもって衣を炙れば焦げ、刈りて席となせば冬に至りて愈々温く、枝を相摩すれば火を出す」。また【爾雅・釈草】に「莽は竹節の密なるを指す」。【疏】に「凡そ竹節の間短くして密なるを莽という」。また【小爾雅】に「大なるの意味」。また草の深き様を表す。【楚辞・天問】に「草木茂盛なり」。また【荘子・則陽篇】に「君政を処するに魯莽なるべからず」。【注】に「鹵莽は粗率の意味なり」。また「莽蒼」、蒼字の注に見ゆ。また国名。【列子・周穆王篇】に「最も西の南隅に古莽という国あり」。また姓。【前漢書・武帝紀・莽何羅注】に「孟康曰く、本姓は馬、徳皇后その祖先に反逆者あるを悪み、姓を莽に改めしむ」。また【広韻】に莫厚切、音は某。義同じ。また【唐韻古音】に莫補切、音は媽。【楚辞・九章】に「暖たる初夏よ、草木茂盛なり。懐いて悲しみ長く痛むよ、匆匆として南方の土地に赴く」。また【集韻】に謨郎切、音は茫。「莽蒼」もまた平声に読む。俗に莾莽と書く。考証:【屈原・離騒】「夕べに中州の宿莽を採る」の条、謹んで原文に照らして「中」の字を刪り、「州」を「洲」に改む。【後漢・莽何羅伝注】の条、謹んで按ずるに後漢書に莽何羅伝なし、謹んで原書に照らして「前漢書・武帝紀・莽何羅注」に改む。