康熙字典解説
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【丑集下】【女部】婁;康煕筆画:11;頁 263。古文。『集韻』『韻会』隴主切、音縷。巻婁とは、形と神がともに役使されることなり。『荘子・徐無鬼』に「舜、童土之地を挙げ、歯長じて明らかに衰え、休んで帰るを得ず。所謂巻婁なる者なり」とある。また馬を繋ぐを維といい、牛を繋ぐを婁という。「牛馬維婁」は『公羊伝』に見ゆ。また『集韻』龍遇切、『正韻』良據切。屢に同じ。煩数なり。『前漢書・公孫弘伝』に「上方に功業に興り、婁賢良を挙ぐ」とあり。また『元帝紀』に「百姓婁凶咎に遭う」とある。また『集韻』倫爲切、音羸。墊婁は地名にして西羌に在り。また『広韻』洛侯切、『集韻』『韻会』郞侯切、『正韻』盧侯切、音樓。星名なり。『礼記・月令』に「季冬の月、日女に在り、昏れて婁中に至る」とあり。『淮南子・天文訓』に「二月奎婁に建つ」とある。また地名なり。『春秋・隠公四年』に「莒人杞を伐ち、牟婁を取る」とあり。また『僖公十八年』に「衛侯訾婁に師す」とある。また江名なり。『史記正義』に「江東北へ下ること三百余里、海に入るを婁江と曰う。今松江に婁県属す」とある。また人名なり。離婁は古の明目なる者なり。『楚辞・九章』に「離婁微かに睇すとも、瞽者は以て明なしと為す」とある。また黔婁は斉の隠士にして、『黔婁子』四篇あり。また姓なり。漢の婁敬は高祖劉姓を賜う。唐に婁師徳あり。また獣名なり。『韓詩外伝』に「北方に獣あり、名づけて婁と曰う。食を更えて視を更う」とある。またに同じ。『左伝・定公十四年』に「既に爾が婁豬を定む」とある。また『集韻』竜珠切、『正韻』凌如切、音慺。曳くなり。『詩・唐風』に「子衣裳有れども、曳かず婁せず」とある。また鏤刻の貌なり。何晏『景福殿賦』に「藻井を以て繚り、綷疏を以て編む。紅葩鞢たり、丹綺離婁たり」とあり。註に「離婁とは鏤刻分明なるなり」という。また愚なり、昧なり。『蘇氏演義』に「時人无分別なる者を邾婁不辨と為す。邾婁は小国なり。微小の人分別能わざるなり」とある。『六書故』に「春秋の邾国、号して邾婁と曰う」とある。また『集韻』朗口切、『正韻』朗斗切。塿に同じ。小阜なり。『左伝・襄公二十四年』に子太叔曰く「部婁に松柏無し」と。原字は厂に従わず、或は字と為す。またも亦古文の婁なり。母中の女。俗字なり。考証:「馬を繋ぐを維といい、牛を繋ぐを婁という。牛馬維婁」は『左伝』に見ゆと引く。按ずるに出典は『公羊伝』なるにより、謹んで『左伝』を『公羊』に改む。『左伝・隠公四年』に「莒人杞を伐ち、牟婁を取る」と引く。按ずるに所引は『春秋』経文なるにより、謹んで『左伝』を『春秋』に改む。