康熙字典解説
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【丑集上】【口部】君;康煕筆画:7;頁碼:177 頁 07 行
古代音韻:『唐韻』挙雲切、『集韻』『韻会』倶雲切、音は「軍」に同じ。『説文解字』に「尊なり」とあり。字形は「尹」に従い、号令を発するを表すゆえに「口」に従う。『白虎通』に「君とは群の義にして、衆人の心帰するを指す」とある。『易経・師卦』に「大君命有り」。『尚書・大禹謨』に「皇天眷顧して命を授け、四海を有ちて天下の君となる」とある。また封地を有する者は皆君と称す。『儀礼・子夏伝』に「君は最も尊し」とあり。〔注〕天子・諸侯および封地を有する卿大夫を皆君と称す。『国語・晋語』に「三代家族中に在りて官たり君に仕ふ」とある。また夫人も君と称す。『詩経・鄘風』に「吾れ以為く君ならん」とあり。〔伝〕君は国君を指し、小君は国君の夫人を指す。〔箋〕夫人は国君に対して自ら小君と称す。『論語』に「国君の妻は、本国人之を君夫人と称し、外国人に対しては寡小君と称し、外国人も亦之を君夫人と称す」とある。また子女は父母を君と称す。『易経・家人』に「家に厳君有り」とは即ち父母を指す。また子孫は祖先を皆君と称す。〔孔安国・尚書序〕「先君孔子、周の末に生る」。また兄は弟を君と称す。〔杜牧・弟の墓誌〕「君の名は顗と諱す」。また妾は夫を君と称す。『礼記・内則』に「君既に食せば撤す」とあり。〔注〕ここは士大夫の妾を指す。『儀礼・喪服』に「妾君と謂ふ」とあり。〔注〕妾が夫を君と称するのは、夫と平等相待ぶべからざるがゆえに尊称を用いるなり、士と雖も亦同じ。〔疏〕妻は夫と平等相待ぶを得るがゆえに夫と称すべく、妾は夫に会うことあれども平等相待ぶべからざるがゆえに尊称を用いて夫を君と称す。また妻も夫を君と称す。〔古楽府〕「十七にして君が妻となる」。また夫は妻を細君と称す。〔前漢書・東方朔伝〕「帰りて妻に贈る、また何ぞ仁なるや」。また上位者は下位者を君と称す。〔史記・申屠嘉伝〕「上曰く、我が私的に告げたると言うなかれ」。また封号を君という。〔史記・商君伝〕「秦これに商の地十五城を封じて商君と号す」。また婦人の封号も君という。〔史記・外戚世家〕「皇太后の母臧児を尊んで平原君とす」。また彼此相い尊称するも亦君という。〔史記・司馬穰苴伝〕「百姓の命は皆君に繋がる」。君は荘賈を指す。また〔史記・張儀伝〕「門客曰く、我れ君を知るにあらず、君を知るは蘇君なり」。また隠士朝廷の徴召を受ける者を征君という。〔後漢書・逸民韓康伝〕「亭長思うに韓征君まさに至るべし」。また節を持して出使する官を使君という。〔後漢書・恂伝〕「敢えて使君を脅かさず」。また〔諡法〕慶賞を行い威厳を立てるを君といい、衆をして追従せしめ群を成さしむるを君という。また君子は徳備わる人の称なり。『易経・乾卦』に「君子終日乾々たり」。『論語』に「亦君子ならずや」とあり。〔注〕君子は徳備わる人の名なり。また姓なり。〔正字通〕明に君助という者有り。また葉韻は姑員切、音涓。〔劉向・列女伝〕「過を引き譲りを宣べ、宣王悟る。日夜道義を尊崇し、中興の君となる」。