【丑集下】【大字部】奬;康煕筆画:14;頁碼:254 頁上段 01。『広韻』に「即両切」とあり、『集韻』『韻会』に「子両切」とあり、音は「槳」に同じ。意味は助ける、勧める、褒め称えること。『左伝・襄公十一年』に「好悪を同じくし、王室を奬る」とある。『朱伝』はこれを導き扶け、賞して励ましてその事を成さしむると解する。杜甫の詩に「詞場竟た疎闊にして、平昔濫りに推奬す」とある。按ずるに、『説文解字』はこの字を犬部に収め、犬を唆して励ます意とする。本字は「

」と作り、隷書にて簡略化されて「奬」となる。『字彙』は『説文』の「犬を唆す」という解釈に拘泥し、廾部に「

」を収めて「奬」を俗体とし、これは考証の誤りである。趙宧光『長箋』にいわく、「奬厲」は犬を唆すの本義にして、世俗は通じて「褒奬」に用い、褒め称える詞となす。官吏これを用いて考課の最上等の称号と為すは、文字学に通ぜざる大なる誤りなりと。この説はやや拘泥に過ぎる感あり。考証:『左伝・襄公十一年』の原文は「王室を奬りて茲命に閒なし」。謹んで査するに、『左伝』の原文は「或いは茲命に閒あり」と作り、文意は下文に属して上文に属さず、「王室を奬る」と連ねて引用するに便ならず。今謹んで原文に従い「好悪を同じくし王室を奬る」と改む。