康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 383 ページ)
【卯集上】【心部】恒;康煕筆画:10;頁碼:383 頁下段 25
古文【広韻】【集韻】【韻会】胡登切、音は峘。【説文】常なり。
また卦名。【易・恒卦】恒は久し。
また【礼記・月令】文繡に恒あり。【疏】恒は故なり。必ず故法に因循すべし。
また【周礼・夏官・司弓矢】恒矢・痺矢、諸の散射に用う。【注】恒矢とは安居の矢なり。痺矢はこれに象る。
また山名。【爾雅・釈山】恒山を北岳と為す。【史記・夏本紀注】恒山は定州恒陽県に在り。【風俗通】北方の恒山。恒とは常なり。万物北方に伏蔵して常あるなり。
また州名。漢の恒山郡、周の武帝恒州を置く、山名に因む。
また姓。楚の大夫恒恵公。
また去声。【転注古音】古鄧切、音は亘。【詩・小雅】月の恒が如し。【注】恒、古鄧反。弦なり。月上弦して盈に就く。また絙と作る。
また遍し。【詩・大雅】之に秬・秠を恒くす。【注】恒、古鄧反。遍く之を種うるなり。
按ずるに、此の字の体制一ならず、『説文』『集韻』『六書統』『説文長箋』『精蘊正訛』等の書は月に従い舟に従い、弁駁更改し、或いは省き或いは併す、臆断に属せんことを恐る。既に古を去ること遠く、大篆・小篆すら已に多分に合せず、況んや隷書・楷書をや。凡そ字形を講ずる処、概ね贅引せず。