康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1409 ページ)
【戌集下】【頁部】顧;康熙筆画:21;頁 1409。古文。【唐韻】【広韻】【集韻】【類篇】【韻会】【正韻】古慕切、音故。【玉篇】瞻うなり。振り返って見るを顧と謂う。【詩・小雅】「我を顧み我を復す」。【箋】顧は頭を回らして見るなり。【書・太甲】「天之明命を顧諟す」。【伝】常にこれに目を注ぐの意なり。また眷念の意なり。【詩・大雅】「乃ち西を顧みて眷る」。また【書・康誥】「乃が徳を顧みる」。【伝】汝が徳を省みるの意なり。また【詩・小雅】「其の後を顧みず」。【箋】自己の後果を顧念せざるなり。またただ・しかしの意なり。【礼・祭統】「上に大沢あらば、則ち恵必ず下に及ぶ。顧みるに上先んじ下後るるのみ」。【疏】上に大恩沢あらば、則ち恵必ず下に施さる。ただ尊き者先に在り、卑しき者後に在るのみ。又一説に顧は「故」の意にして、君まず食い臣後く食うは、恵上より始まるを示すという。また発語の詞なり。【史記・刺客伝】「顧み易からずや」。【註】顧は逆にすの意なり。【前漢・賈誼伝】「首顧みて下に居る」。【註】顧もまた反の意にして、人の振り返って見るが如しという。また「雇」と同じ。【前漢・鼂錯伝】「民の財を斂めて以て其の功に顧む」。【註】顧は酬報の意にして、今いう所の雇傭の報酬が如し。また導くの意なり。【後漢・党錮伝】「郭林宗・范滂等八顧と為る」、是れ其の徳を用いて人を導くを謂うなり。また国名なり。また姓なり。【詩・商頌】「韋・顧既に伐られ、昆吾・夏桀」。【伝】韋国あり、顧国あり。【箋】顧と昆吾とは皆己姓なり。また地名なり。【左伝・哀公二十一年】「公及び斉侯・邾子と顧に盟す」。【註】顧は斉国の地なり。また山名なり。【方輿勝覧】「鎭江の北固山、梁武帝改めて北顧と為す」。また【五音集韻】公戸切、音古。意同じ。【書・微子】「我行遁を顧みず」。徐邈この音を読む。俗体「頋」に作る。考証:【礼・祭統】「顧みるに上先んじ下後るるのみ」。【疏】「但だ尊上なる者は則ち先に在り、下なる者は後に処するのみ」。謹んで原文の「則ち先」を「先に在り」に改む。【史記・刺客伝】「顧み易からずや」。【註】「反顧なり」。謹んで索隠の原文「反顧なり」を「顧反なり」に改む。