康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 872 ページ)
【午集下】【立部】端;康煕筆画:14;頁碼:872 頁 32 行
古文は「耑」に作る。
【広韻】【集韻】【韻会】【正韻】に「多官切」とあり、音は「偳」に同じ。
【説文解字】に「直なり、正なり」とある。
【礼記・曲礼】に「書を振い、書を君の前に端くす」とあり、【注】に「端は正なることなり」とある。
【礼記・玉藻】に「目の容端正し」とある。
【漢書・賈誼伝】に「天下の端士を選び、孝悌博聞にして道術有る者を以て之を衛翼せしむ」とある。
また、【篇海】に「芽、始め、首」とある。
【礼記・礼運】に「人は天地の心、五行の端なり」とある。
【公羊伝・隠公元年】の注に「上に天端を繋ぐ」とあり、【疏】に「天端とは春のことなり。【春秋説】に云う、元気の奥を用いて天の端を正し、天の端を用いて王の政を正す」とある。
【左伝・文公元年】に「先王の正は時なり、端を始に履む」とあり、【疏】に「履は推すの意なり、暦法の初めを推して暦法の端と為すを言う」とある。
【孟子】に「惻隠の心は仁の端なり」とあり、【注】に「端は始めなり。人皆仁義礼智の端有り、これを導き発揚すべし」とある。
また、【広韻】に「頭緒、等第」とある。
揚雄【方言】に「緒、南楚には或いは端と謂う」とある。
また、【増韻】に「審らかに視る」とある。
【戦国策】に「郤疵、智伯に対えて曰く、韓魏の君、疵を視ること端くして趨り疾し」とある。
また、「専一」と釈す。
【戦国策】に「敢えて其の願を端くす」とあり、【注】に「端は専一に同じ」とある。
また、布帛の単位を「端」という。
【礼記】の疏に「束帛は十端なり。一丈八尺を一端とす」とある。
【小爾雅】に「二丈を一端と為し、两端を一両と為し、両両を一匹と為す」とある。
また、【周礼・春官】に「其の斉服に玄端・素端有り」とあり、【鄭司農注】に「衣に上衣下裳有るを端と謂う」とある。
【穀梁伝・僖公三年】に「桓公、端を委て笏を搢れ、诸侯に朝す」とあり、【注】に「端は端服なり」、【疏】に「其の色は玄、制は正幅にして斜裁せず、故に端と謂う」とある。
また、地名なり。
【山海経】に「号山、端水此より出でて東流して河に入る」とある。
また、流沙中に国あり、墩端・璽と曰う。
【史記・趙世家】に「韓魏と共に晋を分ち、晋君を端氏に封ず」とあり、【注】に「端氏は沢州の県なり」とある。
【前漢書・地理志】に蒼梧郡に端渓有り。
また、姓なり。孔子の弟子に端木賜有り。
また、宮門の名なり。
【後漢書・黄瓊伝】に「吏を挙ぐるに、先に公府に於いて之を試み、又端門に於いて之を覆す」とあり、【注】に「端門は太微宮の南門なり」とある。
また、獣名なり。
【後漢書・鮮卑伝】に「禽獣中国と異なる者は、野馬・原羊・角端牛なり、角を以て弓と為し、俗に角端弓と謂う」とある。
また、【正韻】に「尺兖切」とあり、音は「喘」に同じ。
【荀子・勧学篇】に「端じて言う」とあり、【注】に「端は喘と読む。喘は轻声に語るの意なり」とある。
また、【韻会小補】に「美辨切」とあり、音は「冕」に同じ。大夫以上が戴く礼帽なり。
【礼記・玉藻】に「諸侯は玄端を以て祭し、天子は玄端を以て朝す、日に東門の外に於いて」とあり、【注】に「此の端は皆冕と読む」とある。
また、【韻補】に葉音「都元切」とある。
陸機【文賦】に「澄心を罄げて思を凝らし、衆慮を眇として言と為す。天地を形内に籠め、万物を筆端に挫く」とある。
また、葉音「多汪切」とある。
楊戯【秦子敕を讃す】に「正方遣を受け、豫た後綱を聞く。不佥ならずして、此の異端を造る」とある。
考証:【【礼記・月令】に「諸侯は玄端を以て祭し、天子は玄端を以て朝す、日に東門の外に於いて」とある。謹んで原文に照らし、「月令」を「玉藻」に改む。】