康熙字典解説
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【申集中】【虫部】蝉;康煕筆画:18;頁碼:1097 頁上段 31。『唐韻』市連切、『集韻』『韻会』時連切、音は禅。『揚子・方言』に「蝉は楚地にて蜩と称す」とある。『古今注』に「斉王の后は恨みを抱いて死し、その屍は蝉と化し、庭に飛びて嘒唳と鳴く。斉王これを悔いて止まざりき。ゆえに世人は蝉を斉女と呼ぶ」とある。『大戴礼記』に「蝉は露のみを飲みて食せず」とある。『酉陽雑俎』に「蝉は脱皮せざる時は復育と名づく」とある。『蠡海集』に「蝉の性は陽に近く、木に依り、陰気を藉みて声を発す」とある。また『後漢書・輿服志』に「侍中・中常侍の戴く黄金の璫は、附蝉を文飾とし、貂尾をもって飾る」とある。『古今注』に「貂を用いるは、文采ありて顕ならずを取るなり。蝉を用いるは、清静虚空にして変化を予知するを取るなり」とある。また「蝉嫣」は連綿不断の義なり。『前漢書・揚雄伝』に「周氏の一族連綿として絶えず、あるいは先祖は汾水の畔に出ず」とある。また『揚子・方言』に「蝉は毒の義なり」とあり、また車名の一種を指す。『塩鉄論』に「車を推す『蝉攫』は、人に子を背負わしむるを教うるの義なり」とあり、注に「許慎曰く、蝉攫は車の一種なり」とある。また人名にも用いる。『大戴礼記』に「顓頊は窮蝉を生む」とある。また「婵」と通ず。『成公綏・嘯賦』に「修竹の婵娟たる美姿に掩映す」とある。また『集韻』に財仙切、音は銭。「𧍧」に同じく、虫名なり。また田黎切、音は提。地名なり。『前漢書・地理志』に「楽浪郡に黏蝉県あり」とある。また『正韻』に上演切、音は善。「蜿蝉」は盤旋曲折のさまを形容す。『王逸・九思』に「六竜に乗りて蜿蜒盤旋す」とあり、注に「衆多なる蛟龍の形態を形容す」とある。あるいは「蟺」と書く。