【辰集上】【曰部】曾;康煕筆画:12;頁碼:503 頁 03 行。【唐韻】昨稜切。【集韻】【韻会】徂稜切、音層。【説文】詞の舒ぶるなり。八に従ひ、曰に声す。【九経字样】曾は「

」に従ふ。「

」は古文の「窓」字なり。下は曰に従ひ、上は八に従ひ、気息の分散するを象る。經典相承して、隷書に省きて「曾」と作る。【詩・大雅】竟た我が師を恤む者なし。【論語】これ以て孝と為す可けんや。【孟子】子何ぞ竟た我を此に比するや。また【広韻】歴るなり。【増韻】嘗てなり。【韻会】すなわち、しかればなり。また「層」に通ず。【後漢書・張衡伝】閬風の層城に登るかな。【文選】「層城」と作る。また【広韻】作滕切。【集韻】【韻会】咨騰切、音増。【書・武成】有道の曾孫周王発。【爾雅・釈親】祖父の父を曾祖と謂ひ、孫の子を曾孫と謂ふ。【注】曾は重の意味なり。また【左伝・襄公十八年】微臣彪、諸侯を帥ゐて討つべし。【注】曾臣は末臣のごときなり。【疏】曾祖・曾孫の「曾」は重畳の意味なり。諸侯の天子に対しては重畳すべき所なし。曾臣は末臣のごとし、謙譲の辞なり。また【楚辞・九歌】翾飛兮翠曽。【注】曾、飛び起つ。また「橧」と同じ。【礼記・礼運】夏則居橧巣。【釈文】橧、本また「曾」に作る。また「増」と同じ。【孟子】其れ能はざる所を増益す。【孫奭・音義】曾はまさに「増」と読むべし。また姓なり。【姓氏急就篇】曾氏は鄫国に出づ、姒姓なり。莒、鄫を滅ぼし、子孫魯に在りて別に曾氏と為る。【孫奕・示児編】「曾」の字、人の姓及び「曾孫」の意味を除くの外、今の学者は皆「層」の音に読む。然るに経史に音註なく、ただまさに「増」と読むべし。【韻会】今詳らかに考ふるに、「曾」の字に音註ある者は本来の音に従うべし。その余り音註なき者は「層」の音に読むもまた可なり。