康熙字典解説
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【午集中】【白字部】皁;康熙画数 7;頁碼 786 頁 02 行。『唐韻』昨早切。『集韻』『韻会』『正韻』在早切。音は「曹」の上声。『博雅』に「皁隷」とあり、臣を指す。『類篇』には賤しき人を指すとある。『左伝』昭公七年に「士は皁を治め、皁は輿を治め、輿は隷を治む」と見え、『疏』に服虔の注として「皁は造なり。造とは事を成すの謂い」と説く。また『博雅』に馬槽(まぶね)を指すとあり、『集韻』に馬厩(ばきゅう)を指すとある。『周礼』夏官・校人に「三乗を皁と曰う。一皁に趣馬一人を置く」と見え、注に「馬十二匹を一皁とし、一皁の馬は趣馬一人これをつかさどる」とある。『史記』鄒陽伝に「牛馬同じ槽廐に在り」と見え、注に韋昭は「皁は馬を養うの官」、郭璞は「馬を養うの具」と説く。『漢書』音義に「牛馬を飼うの具、木をもって槽のごとく作る」とある。『揚子』方言に「梁・宋・斉・楚・北燕の間、馬槽を皁と曰う」と見える。また『玉篇』に色黒きを指すとあり、『博雅』に「黒きを皁と曰う」と見え、『広韻』に黒き絹織物を指すとある。『史記』秦本紀に「黒き旌旗の飄帯を賜う」とあり、『前漢』賈誼伝に「自ら黒き厚絹の衣を着る」と見え、『後漢』礼儀志に「冬至の日、太史を召して、各自木板に書かしめ、黒き袋にて封ず」とあり、『漢官儀』に「凡そ章表は皆封を開く。機密に関わる事は黒き袋にて封ず」と見える。また「皁白」とは黑白を言うがごとし。『北史』魏臨淮王伝に「中山王は是非(黑白)あまりに明らかなれば、済南王の風流寛厚雅致に如かず」とある。また鳥名なり。『唐』陸璣『毛詩鳥獣疏』に「鸛雀、またの名を皁裙と曰う」と見える。また『釈名』に「早」に関わり、「日出でずして早起すれば、見るもの皆黒し。この色まさに然るがごとし」とある。『周礼』地官・大司徒に「山林に皁物に適するもの生ず」と見え、注に「皁は柞・栗の類を指す。あるいは早と書く」とある。『韻会』に「今世人、柞樹の実を皁斗と称す。柞は橡樹にして、その殻斗は黒く染むべし。ゆえに俗に黒きを皁と称す」とある。『正字通』に「俗音は灶のごとく。義同じ」とある。また『字彙補』に「湯労切、音韬と同じ」とあり、『楊氏古音』に「『周礼』の『皁物』の皁、音は韬のごとし。柞・栗みな外殻に包まる」と見える。また葉韻は子苟切、音走と同じ。『詩』小雅に「既に稔り既に皁となり、既に堅く既に好し」と見え、注に「穀物の実まだ堅からざるを皁と曰う。好は音吼」とある。また『揚雄』太僕箴に「馬廐火災して人命を問えば、孔子深くこれを悪む。僕臣駕御をつかさどり、敢えて廐吏に告ぐ」とある。『説文』に「草、音自保切。草斗とは栎樹の実なり。一説に斗子に似たり。字形は艸に従い、早声」とある。徐鉉の説に「今俗字はこれをもって草木の草となす。別に皁字を作りて黒き皁を表す。按ずるに、栎樹の実は帛を黒く染むべきにより草と名づく。通じて草棧の草に用いる。今俗字に皁を書くに、あるいは白に従い十に従い、あるいは白に従い七に従うも、いずれも義なし。緇字の原形は巛に従わず」とある。