康熙字典解説
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【巳集中】【火部】烏。康煕筆画 10。頁碼:670 頁 01 行。古文「于」。『唐韻』哀都切、『集韻』『正韻』汪胡切。音は「汚」。『説文』に「孝鳥なり。象形」とあり。『埤雅』に「林罕は全体として鳥の形に象り、ただしその目睛を注さず。烏の体はみな黒く、遠ければその睛を分別し得ざるがゆえなり」という。『詩・邶風』に「黒きこと烏にあらざることなし」。『小爾雅』に「純黒にして反哺するものを烏と謂う」。また『前漢・眭弘伝』に「石立ち、後に白烏数千ありて、下にその旁に集まる」。また『爾雅・釈鳥』に「燕白脰烏」。注に「『小爾雅』に云う、白項にして群飛するものを燕烏と謂う」とあり。また「鸀山烏」。また『周礼・夏官・羅氏』に「烏鳥を羅るを掌る」。注に「烏は居す、鵲の属なり」とあり。また『小爾雅』に「陰を去り陽に就く者を陽烏と謂う。鴻雁これなり」とあり。また『韻会』に「日中に三足烏あり」とあり。また『説文』に「孔子曰く、烏は呼なり。其の気を助くるを取って故に烏呼と為す」とあり。注に「徐鉉曰く、俗に嗚と作るも是ならず」とあり。『埤雅』に「烏また嘆詞と為す。烏は異を見れば則ち噪ぐ、故に烏霍と為す。烏霍は所異を嘆ずるなり」とあり。また『玉篇』に「語辞なり」とあり。また『広韻』に「安なり」。『正韻』に「何なり」。『史記・司馬相如伝』に「烏有先生とは、烏有此の事あるなり」。注に「徐広曰く、烏は一に悪と作る」とあり。また『史記・天官書』に「一十五星聚り、蔚然たりて郎位と曰う」。注に「索隠曰く、蔚然とは『漢書』に哀烏と作り、星の状貌なり」とあり。『正字通』に「『星経』に依烏と作り、后人因って郎官を依烏府と謂う」とあり。また『韻会』に「黒色を烏と曰う」。『史記・匈奴伝』に「北方みな烏驪馬なり」。『五代史・梁符彦卿伝』に「太祖、乗ずる所の愛馬一丈烏を賜う」。また『前漢・楊惲伝』に「天を仰ぎて缶を拊でて烏烏と呼ぶ」。注に「師古曰く、烏烏は秦の声なり。関中に此の曲あり、亦た嗚と作る」とあり。『史記・李斯伝』に「歌呼して嗚嗚たり」。また県名。烏氏は水に因りて名づく。『前漢・地理志』に「安定郡烏氏」。注に「烏水西北より出でて河に入る。氏の音は支」とあり。また烏程・烏傷は会稽郡に属す。また烏孫・烏桓は皆西域の国名なり。また『広韻』に「姓なり。斉の大夫烏枚鳴。『左伝』に見ゆ」とあり。また赤烏は殿名なり。『左思・呉都賦』に「赤烏の暐曄を飾る」とあり。また『集韻』『類篇』に于加切、音は鴉。『前漢・西域伝』に烏秅国。注に「師古曰く、烏は一加之反。秅は直加之反」とあり。また『漢鼓吹曲』に「朱鷺魚以烏路訾邪。鷺何ぞ食む、茄の下に食む。之を食まざれば、以て吐せず、将に誅者に問わんとす」。下の葉音は蝦、者の葉音は遮なり。また『集韻』『類篇』に于諫切、音は晏。『前漢・西域伝』に烏秅国。注に「鄭氏曰く、烏秅の音は鶼拿なり。師古曰く、急ぎて言之えば声鶼拿の如し。正音に非ず」とあり。また『韻会』に「古文借りて顧字と作す。義は雲章に見ゆ。亦た声を転ずるなり」とあり。