康熙字典解説
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【集韻】に「虞貴切、音は魏」とあり。「阿䭳」は薬名にして、通じて「魏」に作る。【正字通】に曰く、阿魏には草木の二種あり。草なる者は西域に出で、苗・葉・根・茎は白芷に似たり。根を搗きて汁を取り、曝すこと膠の如し。西国の呪を持する人はこれを禁じて食せず。木なる者は南番に出ず。蘇頌曰く、今広州にも亦これ有り。云う、是れ木の膏液滴り醸りて結成するなりと。段成式云う、木は波斯及び伽闍那国に生ず。即ち北天竺なり。長さ八九尺、皮の色青黄なり。三月に葉を生じ、鼠の耳に似たり。花実無し。その枝より汁出づること飴の如く、久しくして堅く凝り、名けて阿魏とす。摩伽陀の僧言く、その汁を取り、米豆の屑和して合成す。広州の者に相近し。今両浙の人家の亦これを種う。【范成大の詩】に「夾路風来たり阿魏香る」は是れなり。波斯国はこれを阿虞と呼び、天竺国は形虞と呼ぶ。【涅槃経】はこれを央匮と謂い、蒙古はこれを哈昔泥と謂う。【元・飲膳正要】に云う、阿魏の根は名けて隠展とし、性臭く、能く臭を止む。食料に和すれば甚だ香美なり。詳しくは【酉陽雑俎】及び【本草綱目】に見ゆ。