【子集下】【刀部】刓;康煕字典の画数:6;ページ:137 ページ 20 行
『唐韻』は「五丸切」と注音し、『集韻』『韻会』『正韻』は「吾官切」と注音して、音は「岏」に同じ。
『説文解字』は「剸(きる)」と釈す。字形は「刀」に従い、「元」は声を表す。別の説に「斉(たいらにする)」ともいう。
『徐鍇注』に「印刓弊(印章が磨滅して欠ける)」とある。
『前漢書・韓信伝』に「刻印刓忍して与うべからず」と記す。
【注】蘇林曰く、刓の音は「刓角」の刓に同じく、「抟」と義を同じくす。手をもって反覆して摩りて稜角を磨滅せしむるを謂い、他人に与うるを忍ばざるなり。
『玉篇』は「削る」と釈す。
『広韻』は「円削(物を削って円くする)」と釈す。
『六書故』は「廉隅を削り去る(稜角を削り去る)」と釈す。
『楚辞・九章』に「刓方して以て円と為す(方形を削って円形とする)」の句あり。
また『集韻』に、或いは「

」と作り、また「園」とも作ると記す。
『荘子・斉物論』に「五者園にして幾んぞ方に向かんとす」と書く。
【注】「角泯鑠(稜角が磨滅する)」と釈す。
また「玩」に通ず。
『前漢書・酈食其伝』に「人の為に刻印し、玩して授くべからず」と記す。
【注】顔師古曰く、韓信伝には「刓」と作り、此处には「玩」と作るも、義は互通ずべし。
また『韻補』に葉音して「虞袁切」と注し、音は「元」に同じ。
『白居易の詩』に「危石四五を重ね、嵬として剞ぎかつ刓ず。造物者の意何ぞ、惟だ岩の東偏に在り」との句あり。
考証:『前漢書・韓信伝』の「刻刓忍して与うべからず」の一句は、原文に拠り「刻」の下に「印」の字を補う。