康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 396 ページ)
【卯集上】【心部】愼;康熙画数 14;頁碼 396 頁 47 行。古文は「眘」または「昚」と作る。『唐韻』『集韻』『正韻』に「時刃切」、蜃の去声に同じとある。『説文解字』に「謹なり」と釈す。『尚書・益稷』に「乃ち在位を慎め」とあり、『正義』に「其の居る位を慎むべし」と釈す。また「誠」の義あり。『詩経・小雅』に「爾の言を慎め」、また「爾の優游を慎め」とあり、鄭玄の箋にいずれも「慎」は誠の義なりと説く。また『爾雅・釈詁』に「静かなり」と釈す。『疏』に「慎とは謹慎して静かなるなり」と釈す。また『爾雅・釈詁』に「思ふ」と釈す。『疏』に「『方言』に秦晋の間は之を慎と謂ふ。凡そ思ふの様なるは皆慎と得て称すべし」と釈す。また戒むの詞たり。『史記・呉王濞伝』に「上、劉濞に謂ひて曰く、『反するなかれ、慎め』」とあり(意は決して反逆するなかれ)。また「司慎」あり、天神の名なり。『左伝・襄公十一年』に「司慎・司盟」とあり、注に「此の二司は皆天神の名なり」と釈す。また姓なり。韓の大夫慎到のごときがこれなり。また「公慎」は複姓なり。また『集韻』に「之刃切」、震に同じとあり。『前漢書・地理志』に汝南郡に慎陽県ありと見え、如淳の注に「震と読む」とあり、闞駰に「本は滇と作りき。永平五年、官印を失ひて更に刻せしにより、滇の水旁を除きて心旁を加へ、慎と為せり」と云ふ。また『集韻』に「丞真切」、辰に同じとあり。『周礼・夏官・大司馬』の注に「獣五歳を慎と曰ふ」とあり。『六書精蘊』に「人の心に虚偽あり。白日の下に之を飾り、幽暗の中に之を縦す。惟だ慎のみ真の心なり」とあり、徐鍇に「真の心は即ち慎なり。草率魯莽ならず」と云ふ。