康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 297 ページ)
【寅集上】【小字部】尙;康煕筆画:8;ページ番号:297 頁第 11。【唐韻】【集韻】【韻会】に時亮切、【正韻】に時様切、音は上。【説文】に「曾なり、庶幾なり。八に従い向を声とす」とあり。【爾雅注】に邢昺曰く、「尚とは心の希望する所を謂う」と。【詩・小雅】に「息焉を尚ばず」とあり。【書・大禹謨】に「爾、乃が心力を一にせんことを尚べ」とあり。また【広韻】に「加うるなり、飾るなり」とあり。【論語】に「仁を好む。之に尚ぶべきなし」とあり。【詩・斉風】に「充耳を素を以てす乎而、之に瓊華を尚ぶ乎而」とあり。また「崇むなり、貴ぶなり」とあり。【礼記・檀弓】に「夏后氏は黒を尚び、殷人は白を尚び、周人は赤を尚ぶ」とあり。また「主たるなり」。進御の物を司る者は皆「尚」と曰う。【漢官儀】に「尚食・尚医・尚方等是れなり」とあり。また「尚書」は大計を主る。また【増韻】に「尊ぶなり」とあり。【詩・大雅】に「維師尚父」とあり。注に「太公望、太師にして尊んで尚父と為す者なり」とある。また「猶おなり」とあり。【詩・大雅】に「老成人無しと雖も、典尚有り」とあり。また公主を娶るを「尚」と謂う。帝王の女は尊しとして之を尚び、敢えて娶ると言わざるなり。【前漢書・王吉伝】に「天子の女を娶るを公主を尚ぶと曰い、諸侯の女を娶るを翁主を承ぶと曰う。尚・承は皆下るの名なり」とあり。一説に「配するなり」とも。【司馬相如伝】に「卓王孫、自ら其の使女をして晩きに司馬長卿を尚ばしむを得たり」とあり。注に「尚は配するなり。義、公主を尚ぶと同じ」とある。また【易・泰卦】に「中行に尚ぶを得たり」とあり。注に「中行の道に合するを謂う」とある。また「奉ずるなり」。【司馬相如・長門賦】に「賜問して自から進まんことを願い、君の玉音を尚ぶを得ん」とあり。また「矜伐するなり」。【礼記・表記】に「君子は自から其の功を尚ばず」とあり。また姓なり。戦国の尚靳、唐の尚衡などあり。また「上」と通ず。【詩・魏風】に「上慎旃哉、猶来りて止まること無かれ」とあり。注に「上は猶お尚のごとし。慎めば来り帰るべく、彼に止まること無しと言う」とある。【尚書序】に「尚とは上なり。此の上代以来の書を言うが故に尚書と曰う」とあり。また辰羊切に叶い、音は常。【詩・大雅】に「肆皇天弗尚」とあり。亡方に叶う。