康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 707 ページ)
【巳集下】【犬部】狃;康熙筆画:8;頁碼:707 頁 23 行。【唐韻】女久切。【集韻】【韻会】【正韻】女九切。音は紐。【説文】犬の性情が驕り縦放なるを指す。また【玉篇】親昵・習慣・趨近・重複を指す。【爾雅・釈言】狃は復(かさね)の意味。【注】狃忕とは、ある事を重ねて行うこと。【疏】狃忕とは、前の事を重ねて行うこと。『詩・鄭風』に「将叔无狃」とあり、毛伝に「狃は慣るるの意味」と解す。【左伝・桓公十三年】「莫敖蒲騒の役に狃る」(軽敵して慣れきれる)。【杜預注】狃は慣常の意味。狃忕とは、串習・慣熟の義。【書・君陳】「姦を作し科を犯すに狃る」。【伝】習うの義。また【小爾雅】狃は慣常の義。また【晋語】「中軍の司馬に狃う」。【注】狃は糾すの義。また【玉篇】狐などの野獣の足迹を指す。【爾雅・釈獣】「闕泄多狃」。【注】説く者曰く、趾多しと。詳らかならず。【疏】旧説に闕泄は獣名にして、その脚に狃多しと。狃は趾を指す。然れども其の具体なる形態は詳らかに聞かず。また人名に用いる。【左伝・定公五年】「公山不狃に告ぐ」。【注】不狃は季氏の家臣。また【韻会】忸に通ず。詳しくは「忸」の字注を見よ。また【広韻】【集韻】【韻会】【正韻】女救切。音は糅。【広韻】習慣の義、趨近の義。また狐を指す。また【集韻】女六切。音は肭。獣名。また葉して女古反。『詩・鄭風』「将叔无狃、戒其傷女」。考証:【爾雅・釈言】「狃、復也」。【注】「狃伏、復為す」。【疏】「狃伏、前事を復為すなり」。【左伝・桓公十三年】「莫敖蒲騒の役に狃る」。【杜預注】「狃、伏也」。狃伏は串習の義。謹んで原文の四つの「伏」の字を「忕」に改む。【小爾雅】「狃、忲也」。謹んで原文の「忲」を「忕」に改む。