康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 84 ページ)
【子集上】【乙部】乱;康煕筆画:13;頁碼:84 頁 33 行
古文【唐韻】郎段切【集韻】【韻会】【正韻】盧玩切、音は「鑾」の去声に近い。意味は紊乱(みだれる)こと。
【爾雅・釈詁】乱には治めるという意味もある。
【説文解字】字形は「乙」に従う。「乙」は治めることを示す。
【玉篇】整理すると解する。
【尚書・皋陶謨】「乱にして敬す。」
【孔伝】治める能ありて恭敬謹慎なりと解す。
また『尚書・盤庚』の「乱れて我が家に越ゆ」、同『梓材』の「厥の乱れて民と為る」、同『洛誥』の「四方迪みて乱れ、乱れて四輔と為る」、同『立政』の「丕に乃ち俾けて乱しむ」などの句における「乱」はいずれも治める意に解される。
また「治まらず」の意もあり、凡そ事物に条理なきを皆乱と称す。
【爾雅・釈訓】「夢夢・訰訰、乱なり。」
【尚書・周官】「未だ乱れざるに治を制す。」
【周礼・地官】「司虣は市の憲令を掌り、その闘囂および虣乱を禁ず。」
また兵乱・寇乱を指す。
また事未だ定まらざる時を指す。
【礼記・檀弓】「仲梁子曰く、夫婦方ちに乱る。」
【注】喪礼において男女の哭位いまだ整然と列せられざるを指す。
また楽曲の末章を「乱」と称す。
【論語】「関雎の乱。」
また古代の賦文末尾にしばしば「乱」の部があり、全賦を総括して要旨を点明する。
また【爾雅・釈水】「水正しく流を絶つを乱と曰う。」
【注】河流を横渡るを指す。
【尚書・禹貢】「河に乱る。」
【詩経・大雅】「渭を渉りて乱と為す。」
また【韻補】葉音は力眷切、音は「恋」に近い。
【揚雄・交州牧箴】「周公胙を摂り、白雉自ずから献ず。昭王陵迟し、周室昏乱す。」
また葉音は力敬切、音は「夌」の去声に近い。
【揚戯・李正方賛】「協せず和せず、節を忘れて言乱る。終を疾み始を惜しむ、実に惟れ厥の性なり。」
考証:【周礼・秋官】「司虣は布の憲令を掌りて禁令を布く。」謹んで按ずるに、原書は「秋官」を「地官」に改め、「憲布」を「憲市」に改む。