康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 569 ページ)
【辰集下】【欠部】款;康煕筆画:12;頁碼:569 頁 03 行。【唐韻】【韻会】【正韻】苦管切。【集韻】苦緩切、音窾。【説文】意に欲する所あるなり。【徐鉉曰】塞ぐなり。意に欲する所有りて猶ほ塞がり、款款然たるなり。【謝霊運詩】語往きて実にか款然たり。【注】款然とは、其の欲する所に如くなるを謂う。又【博雅】誠なり、愛なり。【楚辞・卜居】寧ぞ悃悃款款として朴にして忠ならんや。【注】悃悃款款とは、志純一なるなり。【後漢書・卓茂魯恭伝賛】卓と魯と款款たり、情愨徳満つ。【注】款款とは忠誠なり。又叩くなり、通ずるを求むるなり。【晏子・雑篇】前駆門を款す。【史記・商君伝】由余之を聞き、関を款して見ゆるを請う。【太史公自序】重訳して塞を款す。又至るなり。【張衡・西京賦】黄山を繞りて牛首を款す。又留まるなり。【謝霊運詩】断絶念雖殊なれども、倶に帰慮に款す為なり。又款曲とは、猶お委曲のごときなり。【後漢書・光武紀】諸母相与に語って曰く、文叔少時謹言にして、人と款曲せず、唯だ直柔のみと。【謝霊運詩】風波の事辛勤にして、洲渚の言を款曲す。又科なり。今章疏に款を列すと云うは、科条これを列するを謂う。又志なり。【史記・封禅書】汾陽鼎を得、鼎衆鼎に大いに異なり、文鏤款識無し。【前漢書・郊祀志】鼎細小にして、又款識有りと。【注】師古曰く、款は刻むなり、識は記すなり。【張世南・游宦記聞】款は陰字を謂い、凹入する者なり。識は陽字を謂い、挺出する者なり。【博古図】款は外に在り、識は内に在り。夏の器は款有りて識無く、商の器は款無くして識有り。又空なり。【荘子・達生篇】款啓寡聞の夫。【注】款は空なり、啓は開くなり。空の開くるが如く、見る所小なり。【爾雅・釈器】鼎の足款なる者を鬲と謂う。【疏】款は闊なり。鼎の足相去ること疎闊なるを謂う。索隠曰く、款は空なり。其の足中空なるを言う。而して郭氏鼎の脚曲なると云うは、款を以て曲と訓ずるを以て、故に曲脚と云う。又窾と同じ。【史記・太史公自序】実に其の声に中る者を端と謂い、実に其の声に中らざる者を窾と謂う。窾言聴かずんば、姦乃ち生ぜず。【前漢書・司馬遷伝】款を作す。又緩なり。【後漢書・馬援伝】下沢の車に乗り、款段の馬を御す。【注】款は猶お緩なり。形段遅緩なるを言う。【杜甫詩】水に点ずる蜻蜒款款として飛ぶ。又水名。宜陽に在り。【水経注】款水二源有り、併発して川径引き、之を大款水と謂う。合して東南に洛に入り。又款冬、花名なり。【董仲舒・雨雹問に答う】葶藶盛夏に死し、款冬厳寒に花く。【急就篇注】款東即ち款冬なり、亦た款涷と曰う。其の凌寒して氷を叩きて生ずるを以て、故に此の名を為す。又【集韻】許斤切、音欣。人名。曹に公子款時有り。杜預読む。【説文】作す。或いは柰に従って歀と作る。【玉篇】俗に作る。按ずるに旧注款乃を引きて櫓声とすれども、欸乃の欸は本より矣に従い欠に従い、音倚亥切にして、乃相應の声なり、款と義を取る所無く、乃ち俗の誤書なるのみ。今訂正す。詳らかには七画の欸字の注を見よ。字原より作る。